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明(Ryota.M)2 ページ15

――とある夜。
宮舘の家にある、宮舘とA専用の小さな鍛錬場に
汗を浮かべて、床に倒れ伏した阿部と深澤が居た。

「数が分からない以上、複数刀は持っていくべきかな。」
「でも多く持って行っても、多分それで体力持ってかれる。」

その横には涼しい顔で正座をしている宮舘と、手拭を三人へ渡すA。

深夜に行われる鍛錬の場は、この鍛錬場と決まっていた。

「深澤は、一刀だけ持って行って
 手拭を多めに持っておくしかないな。
 阿部は軽めのを一刀、いつものを一刀で良いかも。」

そう言った宮舘の背中をAが勢い良く叩いて
満面の笑みを浮かべた。
大きな音がして、宮舘が眉間に皺を寄せた。

「ぐっ」
「貴方がお二人に刀を振るわせる必要のないくらい
 蹴散らせば全て解決することでございましょう。」
「A、それはそうだけど、でも」
「でも?でもも何もありません。
 この私を娶っておきながら、そんな弱音が許されるとでも?」

Aは襷で袖を纏めると、床に転がった竹刀を拾い上げた。

「さあ、さあ。お三方、休んでいる暇はございませんよ。
 刀が使えなくなったならば、相手から奪えば良いこと。
 その練習もいたしましょう。私がお相手を務めさせていただきます。」

Aが振るった竹刀から鳴る鋭い音に
三人は諦めたように溜息を吐いた。

「お前の細君、噂通りだな。」
「美しいだろ。強くて美しくて気立てが良くて、最高の妻だよ。」

宮舘は誇らしげに、幸せを隠すことなく笑みを浮かべた。

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設定タグ:深澤辰哉 , 阿部亮平 , 宮舘涼太   
作品ジャンル:タレント
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Y.Harumizu(プロフ) - 蓮花さん» 感想ありがとうございます。仇討ちとても良かったですよね。そうですね、どの夫婦も辛くて幸せですが、舘様夫婦は少し色味を変えたお話にしました。いつか国王の短編も書けたらと思っていますので、その時はよろしくお願いします^ ^ (7月24日 22時) (レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
蓮花(プロフ) - 一番好きな演目が仇討ちでした。そして先でも後でも一緒に逝けるのは幸…せだなと思いました。でも意志を継ぐって、それはないよ!キツすぎる!って号泣しながら読ませていただきました。他作品を見ると舘様の作品がなくて、ちょっと残念です。宮舘担なので… (7月24日 15時) (レス) id: 185c333094 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - minaさん» 感想ありがとうございます。もう一度演目を見たいと言っていただけて嬉しいです。あの演目も大好きなので、歌舞伎のテーマの愛が、微力でも私も表現出来てたら嬉しいです。 (2023年5月4日 18時) (レス) id: 4a6ffd3422 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» 感想ありがとうございます。舘様の選んだ人は、きっとこんな強い人だろうなと思って書いたので、そう言っていただけて嬉しいです。そして私も桃色様担当なので、嬉しいです(笑) (2023年5月4日 18時) (レス) id: 4a6ffd3422 (このIDを非表示/違反報告)
mina(プロフ) - 切なくて儚くて涙が止まりませんでした。このお話を読み終えた今、もう一度仇討ちの演目が見たくなりました。心がまとまりませんがどうかそれぞれのご夫婦が来世で幸せになれます様に、と心から願っております。ありがとうございました。 (2023年5月4日 5時) (レス) id: ff96477080 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/  
作成日時:2023年5月1日 14時

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