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Raspberry-Valentine-5 ページ5

「…っふ、は、ね、さっく」
「やだ。ねえ、良いって言って。ん、ね、
 俺にだけくれる、って言って。」

渋る言葉を聞きたくなくて、佐久間が何度も何度も
その唇を貪ると、段々とAの力が抜けてきて
とろりと溶けたその瞳を見つめながら
ようやく佐久間はAの頭を枕に預けさせた。

生理的なものか、別の理由か。
ほろりと、Aの瞳から零れた涙を唇で拭う。

「なんで泣くの。そんなに嫌?」
「…涙が出たのは、どっかの誰かさんが
 こっちの肺活量無視して、襲ってくるから。」
「…ごめんなさい…。」

もう涙なんてないのに、頬にキスを続ける佐久間に
Aは小さく笑って、その桜色の髪に指を通す。

Aが好きな、指遊び。

「…チョコあげるのが、嫌なわけではない…
 わけでもない。」
「どっちよそれ。」
「比べられるのが嫌なの。」
「比べられる?」

Aの顔のサイドに手を付いて
佐久間がAを見下ろすと、Aは苦笑して、
ぽんぽんと自分の隣を手で叩く。
その意図を察して、ごろりと佐久間はAの隣に寝転んで、当然のようにAを抱き締めた。

「どういうこと?」
「そのままの意味。
 さっくんが他の人から貰うチョコとも、
 これまでに貰ったチョコとも、
 比べられるのが嫌なの。」
「…は、え?」
「本当に、私のお菓子なんて
 素人レベルのチョコだし、
 ゼミの大多数だからあげれたの。」

薄暗い部屋でも分かるほど、
じわじわを耳の縁を赤くしていくAを、
佐久間は目を丸くして見つめる。
潤んだAの瞳が、吊り上がる。

何かとんでもない爆弾が来る気がする。
頭の中で警鐘が鳴る。

衝撃に備えろ!!!

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設定タグ:佐久間大介 , SnowMan , snowman   
作品ジャンル:恋愛
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Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» どどーん、まさかのraspberry再来です\(^^)/ (2月20日 21時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うーーーわーーーー!!!!!! 衝撃に備えろ!!!!!!Σ(゚Д゚) (2月20日 19時) (レス) @page7 id: 777d8311f2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/  
作成日時:2024年2月20日 17時

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