Antares 4 ページ4
「じゃあそろそろ、シャワー浴びてきたら?
浴びれそう?」
「えー、もうちょっとぉ。」
「浴びた後にまた話そう?起きて待ってるから。」
「ええー。」
「ほらほら。」
「Aも一緒に入る?」
「入らないよ。でも待ってるから。」
「えええええ。」
ごねる佐久間の背を優しく叩くと、とろりとした佐久間の目がAを見上げる。
それから、にぃ、とチェシャ猫のようにその瞳が細くなった。
「やっぱ、俺の彼女が一番かわいーわ。」
「!」
その目がはらむ艶に、Aが思わず呑んだ息を見逃さず、佐久間の腕がAの首に伸びて
軽くもない重くもない力で、引き寄せられる。
唇が微かに触れるその距離で。
「…チュー、しよっか?」
佐久間の吐息からは、少し甘いアルコールの香りがした。
べろり、とAの唇を舐めると、首から這った佐久間の手はAの後頭部に回って、その髪留めを外す。
さらりと流れたAの髪が、いたく満足気に笑う佐久間の顔と、紅潮したAの顔を隠した。
「ん、Aも、酔っちゃった?
顔、真っ赤だよ?」
「これは、っん。」
佐久間のキスは唇から顎に、顎から首筋にどんどん下降して、Aの頭を抑えていた手は、Aの部屋着のボタンを、ふつりと外す。
「一緒に、風呂、入りたくなるように
してあげる。」
酔いではなく欲の色を濃くした真っ黒な佐久間の瞳と声に。
柔らかく触れられる普段より少し熱い唇に
Aが侵食されるのに、そう時間はかからなかった。
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Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» 刺さったみたいで良かったです(笑)緑さんみたく可愛く終わるはずが、何故か大人な雰囲気になってしまい(・・?)桃さんは罪な男です(笑) (8月3日 20時) (レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - ギャーーーー!!!Σ(゚Д゚) ……Harumizuさん、私の息の根を止めるおつもりなのですね……。そうなのですね……。 助けて〜〜!! (8月3日 0時) (レス) @page5 id: f6a74c2234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時:2023年8月2日 19時