Dear 31st Birthday 9 ページ9
「あー、本当良い1日だった。」
「それは良かったねえ。」
「A、ありがとうね。色々考えてくれて。」
「どういたしまして。」
2人で一緒のベッドに入って鼻を擦り合わせる。
朝から準備をしてくれたのだろう、Aの目が既に閉じかけているのを見て、寝かしつけるように
その背に回した手で、とんとんと叩く。
「おやすみ、A。」
「ん、おやすみ。…大介、お誕生日、おめでと。」
「ありがと。」
Aの口から漏れる寝息を暫く聞いて
佐久間はベッドの下に隠しておいたカメラを手探りで取り出して、Aを起こさないように本体を出来るだけ手で覆って、音を抑えて、その穏やかな寝顔を写真に収める。
シャッター音にAは一瞬眉根を寄せたが、すぐにまた穏やかな寝顔に戻って、佐久間はほっと息を吐く。
写真の出来は明日の朝確認することにして、カメラを床に置くと、Aをまた抱き締めて佐久間も目を閉じる。
抱き締めたAはとても温かくて、1日中感じていた幸せを、改めて噛み締めて佐久間も眠りについた。
「A。朝だよ〜。」
翌朝。
Aにそう声をかけると、ぼんやりとAが目を開けて、佐久間の顔を見とめると、まだ半分夢の中のその顔が幸せそうにふわりと緩む。
その、佐久間の大好きな瞬間を。
かしゃん。
31枚目の写真におさめた。
「ぇー…うそ、いま、撮った?」
「おはよ。撮った。俺、
寝起きのAの顔好きだから。」
「やだー、もう…。」
言いながら、抗議するように佐久間の胸に額をグリグリと押し付けるAの頭に軽くキスを落とす。
「ふわふわしてて、めーっちゃ可愛いから。
後でAも見てみる?」
「見ない…。ねえ、その写真、誰にも見せないでね?」
「そりゃ見せないよ、他の写真は分かんないけど。
絶対誰にも見せない。」
「なら良いけど…。」
最後の3枚だけは、絶対誰にも見せてやらない。
あれは俺だけが知っておきたい君だから。
fin.
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佐久間さんハピバ!
幸せ一杯の一年になりますように!
終わり ログインすれば
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マコト(プロフ) - 読んでいて、とっても幸せな気持ちになりました。ありがとうございましたヽ(=´▽`=)ノ (7月9日 0時) (レス) @page9 id: f6a74c2234 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Y.Harumizu | 作者ホームページ:http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時:2023年7月8日 22時