Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ23)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)２３ページ23

「さっき、本当びっくりするくらい寝たし
　明日も１４時から打ち合わせで、その後はラジオの収録あるけど
　ちゃんとするから。
　だから。…おねがい。今日だけ。
　…今日だけにするから。」

きゅ、と自分の手首を握る佐久間の手が
あまりにも弱々しくて、こちらを見てくる目が悲しそうだから。
Aは困ったように眉尻を下げて
そっと佐久間の手に手を重ねた。

「分かった。佐久間くんの家まで送ってく。
　でも、流石に心配だから、佐久間くんの家で話したい。
　佐久間くんは、ちゃんとお風呂入って、すぐ寝れる状態にして
　それで、…話、しよう。」
「うん。わかった。ありがと。」

バックから車のキーを取り出して
手首から離させた、佐久間の手の中にチャリンと落とす。

「駐車場の番号変わってないから、先に車、行ってて？
　私、戸締りしていくから
　あ、佐久間くんは、後部座席だからね。運転だめだからね。」
「ん。わかってる。」

先に佐久間を医務室から出して
扉が閉まるのを確認してから、Aは長い長い息を吐いた。
やっと、深澤との約束を果たせることへの安心感と
話すことで、きっと佐久間を傷つけてしまうことの不安。
そして、これが最後になるだろう佐久間との２人の時間を
寂しく、惜しく思う我儘な気持ちがこれで最後になるかと思うと
先程止まった涙が、また少し流れた。

出来れば、佐久間の前で泣きたくはないけれど
きっと無理だろうな。

涙を拭いて、数回深呼吸をして、Aも駐車場へ向かった。

佐久間の家に向かう車内では
やはり今回もラジオが流れていて
２人とも、何を話すこともなく、窓の外を街灯が流れていく。

『続いては、Snow Manの新曲です！この曲は…』

パーソナリティーの曲紹介を聞きながら
Aが小さく笑うと、佐久間もそれに乗っかる。

「流石、Snow Manですねえ。どの局でも、１回は聴く気がする。」
「でっしょー。いやー、有難い有難い。」
「私も今回の新曲、すごく好き。」
「良いよね～。カップリングも良いし、本当自信作！」
「ミリオン、いくといいね。」
「んだね。応援してて！」

それからまた会話は途切れて
佐久間の家に着くまで、ラジオの音だけが流れていた。