Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ22)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)２２ページ22

「落ち着いた？」

時間にして、５分程だろうか。
ようやく涙が止まって、佐久間の問いに Aは頷いた。

「ごめん。体調悪い時に、時間とらせちゃって。」
「なんでー、役得役得。
　それに、寝すぎってくらいさっき寝たから、ぜーんぜん平気。」

離れてしまった佐久間の手に、少し寂しさを感じながらも
空いた自分の手で目元を擦る。

「佐久間くんのタクシー呼ばなきゃ。」
「あー…うん。そだね。」

頷くも、タクシーを呼ぶ素振りを見せない佐久間に
Aは首を傾げて、自分のスマホを取り出す。

「どうしたの？スマホ、バッテリー切れてる？
　私、呼ぼうか？」
「ううん。違うけど。
　…ねえ。Aさんが、送ってくれるのは、だめ？
　それか、俺がAさん家まで、車で送ってって
　そっから俺タクシーで帰る。」
「え？それは、」
「俺のせいで泣かせたのに、このまま１人で帰らせたくないし
　もう少し一緒に居たい、っていうのも本当だけど。
　……ふっかから、話聞いた。
　本当は、Aさんから、言い出してくれるの、待つべきなんだろうけど。
　俺、…今日、聞きたい。」

スマホを握った方の手首を、佐久間に握られて
Aはスマホに表示された時間と、佐久間の顔を見比べた。

物事には、タイミングがあるという。
それであれば、佐久間に話すべきタイミングは、間違いなく今夜なんだろう。
ただ、彼には仕事があって、今日は倒れたばかりという体調の悪さだ。
自分が話すことも、決して楽しいことではない。
やはり、別日にすべきだ、とAが決めた決意は
佐久間の弱々しい声に、簡単に崩れ去った。