Unanswered morning glowy(Daisuke.S) (ページ14)

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Unanswered morning glowy(Daisuke.S)１４ページ14

結局時間が時間なだけに、店内での昼食は難しく
テイクアウトしてきた牛丼を
空いていた休憩スペースで食べる。
中途半端な時間だからか、他に人は居ないようだった。

「動いてるときは気付かなかったけど
　やっぱ腹減ったね～。めっちゃいいにおーい。」

牛丼の蓋を開ければ、その香りに急に空腹感を思い出して
やっぱり昼食をとって正解だった。
一緒に買った味噌汁からも、良い香りがして
ふと、Aのスープジャーをいつ返そうかな、と考える。

どうせ返すなら、医務室に置いておくのではなくて
ちょっと長く話せる時間が作れる時に
直接手渡しして、Aの顔を少しでも見たい、というのは建前で
返すまでは、この曖昧な関係でいることを無条件で許される気がして
中々手放せなくて、気付けば時間が経ってしまっていた。
もしかしたら、Aは困っているかもしれない。

Aと別れてからもうすぐ３ヶ月。
３ヶ月もあれば、色んなことが変わる。
お正月は卒業シーズンに変わって
星が美しく見える季節から、青空に桜色が映える季節へ。

涙した人が、少しだけ前を向けるようになるかもしれないし
別れを迎えた人の中には、新しい出会いを見つける人も居るだろう。
佐久間にもAにも平等に訪れたその時間で
Aはどんな変化があっただろう。

「…ま、佐久間。聞いてる？」
「あっ、ごめーん、お腹減りすぎて聞こえてなかった。
　なになにー？」

ハッとして顔を上げると、深澤が口をへの字にしていて
ごめーん、ともう一度繰り返した。

「…あの人のこと考えてた？」
「えー？あー、うん、まあ、そんなとこ。
　そう、こないだ、って言っても結構前なんだけど
　久々に一緒に飯食えたんだよね～。しかも手作り。
　まあ、一緒につっても、俺が無理矢理食べたようなもんだけど。」

にゃはは、と笑って見せると、深澤の口角がより下がるから
そんなに酷い顔してるかな、と自信がなくなった。
本当にあの時間は、幸せだったんだけどな。
俺が欲張っちゃっただけで。

「佐久間、ごめん。俺、佐久間に黙って勝手なことした。」
「おん？」

次いで深澤から発された謝罪の言葉に驚いて
変な相槌が出てしまった。