Silk tree(Koji.M) (ページ5)

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Silk tree 5 ページ5

「かっこいいは大前提にあるから。」
「嘘やん、それは絶対違うやろ。」
「かっこいいと、可愛いが大前提にあるの。
　だってアイドル様だもん。」
「なんやねんそれ。」
「そこ大前提がないと、アイドルになんてなれないでしょ。そもそも事務所にも入れないよ。」
「急にリアルな話するん、やめてや。」
「あは、ごめんごめん。
　何か信じてくれてなさそうだったから。」

Aの手に耳に辺りの髪を撫でられて、思わず目を細める。
少しだけ、困ったように下がるAの眉尻が愛おしい。

こんなことで、困らんでいいんやで？

「信じとるよ。でも、もっと聞きたかっただけ。」
「ええ？」
「Aさんの口から、聞きたかっただけ。
　かっこいいとか、可愛いとか。」
「え、私騙された？」
「騙すなんて大袈裟やん。可愛い悪戯って言うて。」
「もう、本当調子いいんだから。」

下がった眉尻を指で持ち上げると、安心したように笑うAに、ほっとする。

笑っててほしい。
ずっとずっと笑ってて欲しい。
それは実際難しいって分かっとるけど
せめて自分と居る時くらいは、笑ってて。
アホやなあって、気の抜けた顔で、笑ってて。

「なあ、言うてよ。」
「ええ？」
「甘えられるの好きなんやろ？」
「そうだけど。改まって言うの
　恥ずかしいんですけど。」
「そんなん知りませーん。ほらほら。
　可愛い康二くんが待っとるよ？」

Aの腰に手を回して、緩く囲い直すと
可笑しそうにAが笑って、すり寄ってくる。
その耳が少し赤いのには、気付かんフリしとくな？

「康二はかっこいいし、可愛いよ。」
「ふふん、せやろせやろ。んでんで？」
「え？それ以上何かある？」
「いや、あるやろ。SnowManの中でも1番かっこいいよ、とか。」
「ああ、SnowManの中で1番お笑い芸人さんに向いてると思うよ。」
「何でやねん！嬉しいけど、今の流れはちゃう！」
「ほら、ツッコミばっちり。」
「おおきに、って違うねん！またくすぐったるぞ！」
「それはだめ！」

腕の中で暴れ始めたAをぎゅうと抱きしめて取り押さえる。

ソファから落ちてまうって。