Merry Xmas2023(Koji.M) (ページ4)

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Weihnachtsbaum nur für Dich 4 ページ4

「私のためだったんだ、全部。」
「そらそうやろ。他に何があるんよ。」
「普通にクリスマスが好きなんだと思ってた。」
「好きやけども。そんな子供じゃあるまいし、
　自分の楽しみのためだけに、
　こんな必死に飾り付けしやん。」

Aの背に腕を回した向井が可笑しそうに肩を揺らして笑う。
優しさしかないような、愛しくて可愛い恋人に
Aは抱きつく力を強くした。

「どうしたん。めっちゃぎゅーってしてくれるやん。」
「言葉が出ないくらい嬉しいから、
　ぎゅーで伝えてみた。」
「ええ？あんま可愛いこと言わんとって。
　まだ全然飾り付け終わっとらんのに。」

そう言う向井も、ぎゅうぎゅうと抱き締める力を強くして笑うから、Aもつられて笑う。

「まあ私は確かにクリぼっち確定だけど。」
「クリぼっちとかやめて、わろてまう。」
「笑うとこじゃないから。理解ある恋人だなって
　惚れ直すところだから。」
「そんなん、キリないくらい惚れ直しとるから
　今更やわ。」
「可愛くない。」
「カッコええから、良いんです〜。」

Aが腕の力を緩めると、向井も腕を緩めて
笑うまま、2人で顔を見合わせる。
笑い過ぎた2人の目にはうっすらと涙。

「康二のおかげで、クリぼっちでも寂しくないから。」
「ん。」
「康二とだけ見れる、世界に一つだけの
　このイルミネーションが、1番好き。」
「おん。俺も。」
「だから、ありがとう。」
「それは完成させてから、もう一回言うて。
　見てみ。まだほぼただの木やから、これ。」

可笑しそうに笑う向井の耳はほんのりと赤い。
それには気づかないフリをして、Aは隣に座り直すと、オーナメントの一つを手に取り、
それを向井の手の中に落とす。

「じゃあ、飾り付け頑張って。私のために。」
「いや、せやから、Aさんも一緒にやろって。」
「あんまりこういうの得意じゃないんだもん。」
「オンリーワンで良いって言うてたやん。」
「さっきの康二の話聞いたら、
　綺麗なツリーにしたくなったの。」
「……自分でハードル上げてもうた…。」

そんなことを言いながらも、向井は嬉しそうに笑って、ああじゃないこうじゃないと、また位置を悩み始める。
Aはそんな向井を、今度は隣で見ながら
一つ一つオーナメントを渡していく。

「なあ、なんで俺の雪だるまはここなん？」

丁寧に丁寧に飾り付けていく最中、首を傾げた向井に、Aはくすくすと笑う。