Antares 5 ページ5
「誰よりも幸せでいて欲しいって思っとる。
いつも笑ってて欲しいって、ほんまに思とる。
やから、本当は…って、でも、あかん。
あかん。あかんで。」
『本当は』の続きを打ち消した向井の言葉は強く、縋るようにAを抱き締める腕にも力が一層こもった。
時折、嗚咽が混じる。
「あかん。あかんで…、おれ、決めたもん。
Aさんに告白した日に、決めたんやもん。」
泣きながら、向井がまたAの首筋に吸い付いて
今度はAもそれを大人しく受け入れる。
子供のような仕草とは反対に、向井の声はハッキリとして低い。
「この人は、俺が、絶対しあわせにするんやって。」
初めて聞く向井の告白に、Aが目を見開く。
向井は自分が付けた痕を確かめるように、何度も赤い跡に唇を寄せる。
「やから、あかん。離してやれへん。
他の人と、幸せにとか、あかん。いややから。
ごめん。ほんま、ごめんな。
でも、あかんで。Aさんは、おれのやから。
おれが、しあわせにしたい、するから。」
今、向井がどんな顔をしているのか見えない。
ただ、濡れていく自分の肩と、首筋に感じる柔らかな感触、向井の嗚咽混じりの切ない声に、Aまで苦しくなって、その顔が見たくて、向井の肩を押すと、いやいやと向井が頭を横に振る。
「康二。」
「いやや。」
「康二、お願い。ちゃんと、顔見て話そう。」
「…いやや…。」
「お願い。ね、康二。」
向井の髪を少しだけ引っ張ると、諦めたように向井が僅かに体を離す。
Aは涙で濡れたその両頬を手で挟み、真っ赤になった向井の目を覗き込んだ。
「私のこと、沢山考えてくれてありがとう。」
「…ん。」
「でも、何個か間違ってる。」
しょっぱいその唇にAからキスをすると、驚いたように向井が瞬きをして、また涙が零れた。
「しなくていい我慢なんて、したことない。
本当ならって言うけど、康二と居ることだけが
本当だから、本当ならしなくていい我慢とかない。
私が、康二と居たいから。
それで多少我慢することがあっても
それは私にとっては要らない我慢なんかじゃないから。」
くしゃりと顔を歪めた向井にもう一度キスをすると、すぐに向井からのキスが返ってくる。
いつの間にか向井の片手はAの後頭部に回っていて、軽いキスが何度も降ってくる。
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Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» いつもありがとうございます^ ^この可愛さは彼にしか出せませんよね〜(//∇//)書いてて自分でもにやにやしました（笑） (11月12日 10時) (
レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うわ〜、何 この可愛らしい世界(*ﾉｪﾉ)ｷｬｰ めっちゃニヤニヤしながら読んじゃいました(笑) (11月12日 9時) (レス) id: f6a74c2234 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - わたたいさん» 初めまして。リクエストはお受けしていないのです。よろしくお願いします。 (11月12日 1時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - こんばんは!リクエスト大丈夫ですか？ (11月12日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - ひまわり。さん» ありがとうございます☺️楽しみに思っていただけると嬉しいです☺️みんな魅力的過ぎて、本当書いてて楽しいです（笑） (8月17日 20時) (レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2023年8月6日 17時
