Antares 3 ページ3
「康二、お水飲も。」
「要らん。」
「冷たくて美味しいよ。」
「Aさんが飲んだらええ。」
「私はお風呂上がりに飲んだもの。
明日、しんどくなるの、康二よ？」
「要らん。」
んー、と唸ったAは、ペットボトルを暫く眺めて、それから出来るだけ向井の耳元に口を寄せた。
「私が飲ませてあげるって言っても、やだ？」
少し声量を落としてそう言うと、びくりと向井の肩が震え、Aの肩を掴んだかと思えば勢い良く体を離す。
ようやくAの顔を真正面から見た向井の目は、アルコールのせいか泣いたせいか、目の縁が赤い。
「どっ、今の、どういう意味？！」
「飲む気になった？」
忙しなくきょろきょろと目を動かす向井は動揺も露わで、提案したAが申し訳なさを感じる程。
ペットボトル、Aの目、口元、それから先程向井が付けたばかりの、Aの首にハッキリと存在を主張している赤いキスマークを何度も目で確認して
悩むように眉間に皺を寄せて、それから、ようやく発した返事の声は驚くほど小さい。
「な、った…。」
本当にいいのかと伺うようにAを見る向井が何を想像したかは、Aにも分かっていたし、寧ろ狙っていたのは事実だが、それを叶えるつもりはない。
じ、とAの口元から視線を外せずにいる向井の唇に、蓋を開けたペットボトルの口を押し当てた。
「はい、どうぞ。」
「え？」
「ほら、お口開けて。あーん、は何か違うけど。
ほらほら。」
「え？は？ぃゃ、っぶ」
理解が追いついていない向井の戸惑う声を他所に、Aがペットボトルを傾けると、細く流れる水を反射的に向井が飲み込む。
2回ほど喉が上下したのを確認して、Aはペットボトルを向井から離す。
「もっと飲む？」
「……話がちゃう……。」
恨めしそうな目でAを睨む向井の濡れた口端を指で拭いながら、Aはわざとらしく肩を竦めた。
「飲ませてあげたじゃない。
康二が何を想像してたかは知らないけど
嘘は言ってないわ。」
「……さいあくや……。」
「家に来るなりただいまも言われずに
キスマーク付けられるよりマシでしょう。」
「…………ごめんなさい……。」
「悪いと思ってるなら、もう少しお水飲んでくれる？」
Aが手の中のペットボトルをちゃぷと鳴らすと、しゅんとした向井がそっとAの目を見返す。
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Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» いつもありがとうございます^ ^この可愛さは彼にしか出せませんよね〜(//∇//)書いてて自分でもにやにやしました（笑） (11月12日 10時) (
レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うわ〜、何 この可愛らしい世界(*ﾉｪﾉ)ｷｬｰ めっちゃニヤニヤしながら読んじゃいました(笑) (11月12日 9時) (レス) id: f6a74c2234 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - わたたいさん» 初めまして。リクエストはお受けしていないのです。よろしくお願いします。 (11月12日 1時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - こんばんは!リクエスト大丈夫ですか？ (11月12日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - ひまわり。さん» ありがとうございます☺️楽しみに思っていただけると嬉しいです☺️みんな魅力的過ぎて、本当書いてて楽しいです（笑） (8月17日 20時) (レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2023年8月6日 17時
