Antares; Reverse 4 ページ11
ソファに座ってからもAは両手で向井の手を閉じさせたり開いたり、爪を撫でてみたりして遊んでは、楽しげに笑っていた。
「なあ。Aさん、酔ったらいつもこんなんなってるん？」
自分の手を遊ばせながら、今度は向井は少し口を尖らせた。
「こんなんって、どんな？」
「今みたいなやつ。」
「今みたい？」
「めっちゃ、距離近い。」
「そう？康二程じゃないよ？」
「それにめっちゃ触ってくる。」
「何か言い方やだ。」
向井がAの手を捕まえると
Aは目線を上げて向井と目を合わせた。
瞬きをお互いに一つ。
向井の口はまだ、つんとしたまま。
「酔ったらこんななるって、俺初めて知ったんやけど。」
「そうなんだ？」
「打ち上げとかでも、そんないつも酔わんやん。」
「大人だから。」
「友達と居る時は、いつもこんななんの。」
「どうだろ？今日は学生時代の友達と会ってたから
気が緩んだのかもね？」
くすくすと笑うAの手を握る手に、向井は面白くなさそうな顔でぎゅぎゅと力を込め直した。
「二人で飲んだ時も、こんななってないやん。」
「お姉さんだからね。」
「Aさんが年上なのは、そうやけど。」
「康二、何が言いたいの？」
並んだ膝を、Aが向井に、とんとぶつけると
向井は深々と溜息を吐き眉間に皺を寄せた。
Aを睨むその目は弱い。
「…おもんない。」
「ん？」
「俺の知らんとこで
こんなべたべた甘えん坊さんになっとるのも
それを俺が知らんかったのも、
俺の前でそんななるまで酔ってくれへんのも
全部おもんない。」
「んー…ごめんね？」
「思っとらんやろ。」
「うん。だって、仕方ないもん。」
まだ頬を赤くしたまま、けろりと答えるAに
向井は脱力してAの手を離すと、両腕を広げた。
「ん。」
「ん？」
少し前のやり取りを、今度は逆の立場で繰り返す。
首を傾げたAに、向井は腕をより広げてジェスチャーする。
「ハグ。」
「ハグ？」
きょとんとしたまま、動かないAに
向井は顔を赤くして、もう一度腕を広げる仕草を繰り返した。
「もやもやするからハグ！ぎゅ！！」
「ぎゅ、って…何その可愛いの。」
「ええから！早く！Aさんから！！」
「はいはい、ぎゅー、ね。ぎゅー。」
ようやくAは広げられた向井の腕に身を寄せて
言葉通りに、向井を抱き締める腕に力を込める。
向井もAの背に腕を回すと、ぎゅっと抱きしめた。
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Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» いつもありがとうございます^ ^この可愛さは彼にしか出せませんよね〜(//∇//)書いてて自分でもにやにやしました（笑） (11月12日 10時) (
レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うわ〜、何 この可愛らしい世界(*ﾉｪﾉ)ｷｬｰ めっちゃニヤニヤしながら読んじゃいました(笑) (11月12日 9時) (レス) id: f6a74c2234 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - わたたいさん» 初めまして。リクエストはお受けしていないのです。よろしくお願いします。 (11月12日 1時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - こんばんは!リクエスト大丈夫ですか？ (11月12日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - ひまわり。さん» ありがとうございます☺️楽しみに思っていただけると嬉しいです☺️みんな魅力的過ぎて、本当書いてて楽しいです（笑） (8月17日 20時) (レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2023年8月6日 17時
