Antares 1 ページ1
「康二？」
夜も更けた時間に鳴ったインターホン。
モニターを見れば、目深にキャップを被って
俯いた向井がそこには映っていて
Aは首を傾げながら、エントランスの扉を開錠した。
暫くすれば、今度は玄関のチャイムが鳴って
ドアスコープを覗くと、やはりそこには向井の姿があって、急いでドアを開ける。
ドアが開き切る前に身を滑り込ませた向井が
ドアが閉まるや、内鍵を閉めてチェーンを下ろすのをAは呆気に取られて見ていた。
「康二、今日飲み会じゃなかったの？
連絡なしで来るの珍しいね？
何かあっちょ、康二？！」
一言も発さない向井の顔を覗き込もうとしたAの手は、向井にぐいと引かれて、そのまま向井の胸に抱き締められた。
向井の片手はAの手を掴んだまま、もう一方の手はAの背に回されて、ぐっと力を込めらる。
向井からは微かにアルコールの香りがした。
「康二？」
何度呼んでも返事をしない向井の顔が見たくて
Aが身動ぐと、一層向井の腕に力がこもる。
苦しさを感じる程の腕の強さは、普段の向井からはとても考えられないもので、Aの眉間に思わず皺が寄る。
すると、首筋に急に痛みが走ると同時に、じゅ、と、湿った音がした。
「っつ？！ちょっと！今、ねえ！」
首筋に感じる柔らかな唇の感触と、湿った舌の感触にAが抗議の声を上げると、向井はその声を無視して、赤く花が咲いたその場所に甘く歯を立てる。
一気に上がった自分の体温と、普段と余りに違う向井に混乱しながら、Aは向井を振り解こうと、体を捩る。
「ん、ねえ、康二、やだって、康二！」
抱き締められた体は諦めて、掴まれた腕を解こうとAが腕を触れば、また首筋を向井がキツく吸って。
それから。
「え？」
Aの腕を掴んでいた向井の手は、Aの指を絡めとるように、それぞれの指をAの指の間に滑り込ませてぎゅっと握り、Aの肩口には、温かな水が落ちる感触がした。
「や…って………。」
「康二？何？」
首筋から肩口に唇を移した向井がようやく発した言葉は、Aの服に吸い込まれて、Aの耳にはっきりとは届かない。
自分の肩がゆっくりと濡れていく感触と、小さく震える向井の肩に、Aは何度か瞬きをして
そっと、握られた手を握り返した。
「康二…？」
向井はAの肩に自分の額をぐっと押し当てる。
先程よりも、少しはっきりとした向井の声は、それでも少し震えて掠れていた。
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Y.Harumizu(プロフ) - マコトさん» いつもありがとうございます^ ^この可愛さは彼にしか出せませんよね〜(//∇//)書いてて自分でもにやにやしました（笑） (11月12日 10時) (
レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
マコト(プロフ) - うわ〜、何 この可愛らしい世界(*ﾉｪﾉ)ｷｬｰ めっちゃニヤニヤしながら読んじゃいました(笑) (11月12日 9時) (レス) id: f6a74c2234 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - わたたいさん» 初めまして。リクエストはお受けしていないのです。よろしくお願いします。 (11月12日 1時) (レス) id: 245b47ec32 (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - こんばんは!リクエスト大丈夫ですか？ (11月12日 0時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
Y.Harumizu(プロフ) - ひまわり。さん» ありがとうございます☺️楽しみに思っていただけると嬉しいです☺️みんな魅力的過ぎて、本当書いてて楽しいです（笑） (8月17日 20時) (レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2023年8月6日 17時
