Merry Xmas2023(Tatsuya.F) (ページ1)

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Lila leuchtender Weihnachtsbaum 1 ページ1

「これは？もうこれ持ってっていいやつ？」
「トマト乗せたいから待って？」
「あ、じゃあ、スープ皿によそう？」
「この間零して、火傷しそうになったからだーめ。」
「あ、じゃあケーキ切る？」
「それはご飯の後でしょ。ねえ、辰哉。」

リビングとキッチンの境目、Aの邪魔にならない位置で、何も乗っていないお盆を両手で持ってちょろちょろと落ち着きなく動く深澤に、Aは一度包丁を置いてくすくすと笑った。

「辰哉、落ち着いて。お腹減ったの？
　トマトでも摘んどく？」
「いや、腹も減ってるっちゃ減ってるけど。
　そうじゃなくてさ、俺もなんかしたい。
　準備に参加したいの。」

Aが包丁を置いたことを見とめると、
そそくさと深澤がAの隣に並ぶ。
深澤は、Aの手元にあるまな板を見下ろすと、そこに綺麗に切られて並んでいる食材達に唇を尖らせる。
そこに自分の手伝える事がないと理解したらしい。

そんな深澤に、またAは笑う。
寝癖の残る深澤の後ろ髪は、ぴょこんと跳ねていた。

「準備も楽しいもんね。」
「そう！そうなのよ！ワクワクするじゃん、
　準備してる時って。」

我が意を得たりとばかりに、途端に顔を輝かす深澤に、Aは首肯を返すと、暫し考えるように首を傾げる。
そして、両手をパチンと合わせた。

「あ、じゃあ、辰哉にお願いしたいことある。」
「ん？なになに？何したらい？」
「冷蔵庫にハム入ってるから、それ出してくれる？」
「おっけ。ハムね、ハム。」

深澤がハムを取り出す間に、Aは小さなまな板とフルーツカット用の包丁、それから乾燥したままのパスタを、自分のまな板の隣に並べた。

「ハムってこの薄いやつでいいの？」
「うん、それそれ。」
「あいよ。で？これどうすんの？切る？」
「そう、切るんだけど、折角だから、
　ちょっと可愛い形にしてもらおうかなって。」
「星型に切り抜くとか？」

並べられた小さな包丁たちとハム、Aの顔を不思議そうに深澤は見て、星型に切れっかなあ、と呟いている。

「ふふ、それも可愛いけど、
　今日は薔薇でお願いします。」
「舘様だ。」
「そうそう、ロイヤルなパーティータイムにしよ。」
「でも、薔薇の花の形にとか、切り取れねえよ？」
「切り取るんじゃないんだなあ、これが。
　3Dの薔薇の花なの。」
「3D？」