Nigella 4 ページ4
「終わりにして欲しいんじゃないの？」
「え？…あー。」
否定するには、今までの自分の行動はあからさま過ぎる。
がし、と頭を掻いて、Aを真似るようにソファの背もたれにだらりと体を預けて、行儀悪く足も伸ばす。
「まあ、ちょっと。ちょっとだけね？
急にガンガンやったら疲れるし？」
「そうね。」
「一気にやったからって上達するわけでもないし？」
「そうね。折角辰哉といる時間だし？」
「……。そうね。」
完敗。
前髪を意味なく伸ばしたり払ったりしながら、
くすくすと笑ったAがソファから立ち上がるのを見上げる。
「コーヒー淹れるけど、飲む？」
「飲む。ってか、俺、淹れる？」
「いいよ。座ってて。」
「でも、あ、そう、康二にさ。コーヒー貰ったから
それ淹れる。」
キッチンへ向かうAの後を追うと、やはりおかしそうにAは笑っていた。
「んー？ドリップパックのやつ？」
「そう。カップに引っ掛けるやつ。」
「じゃあ、やっぱりいいよ。私淹れる。」
「なんでよ。俺、こないだ康二に何か習ったから
上手く淹れれるって。」
ぱたばた、とゆっくり２つのスリッパの音が鳴る。
２人してキッチンに立つと、電気ケトルにお湯をAが沸かし始める。
「コーヒー淹れたい気分なの。
ねえ、マグカップとって？」
そう言われてしまえば、返す言葉はなくて、言われた通り、２人分のマグカップを棚から取り出して、Aの前に置く。
「俺さあ、Aが思ってるより、家事出来るのよ？」
「特定の家事はね？」
「料理も。」
「カップラーメンのこと？」
「卵も焼けるっての。この間、キャンプで康二がやってるの見てたし。」
「炭になるか、揚げ卵になりそう。」
「ならねえよ！」
恐らく。
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Y.Harumizu(プロフ) - 櫂さん» ありがとうございます^ ^可愛い系の紫様は初めてだったので、笑っていただけたなら、本当に嬉しいです。 (9月18日 22時) (
レス) id: 3d23a8217f (このIDを非表示/違反報告)
櫂(プロフ) - ここまで自然に声に出してふっと笑えた作品は初めてかもしれません……！素敵なお話をありがとうございました！ (9月18日 0時) (レス) @page6 id: a2cc3a07ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y.Harumizu
| 作者ホームページ：http://beautifulvitamin.yukihotaru.com/
作成日時：2023年9月13日 17時
