Sweet poison for you(Tatsuya.F) (ページ5)

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Sweet poison for you 5 ページ5

「…そんな顔しちゃダメでしょ？
　俺のこと説得したいんだったら。」
「っ、辰哉が、変なこと言うから。」
「変な事は言ってないっしょ。
　俺の中では、ど正論なんだけど。」
「また…、もう。プレゼントがダメなんじゃなくて
　その値段とか頻度を考えてって言ってるの。」
「考えてる。」
「じゃあ、考え直して。」
「考え直しても変わんない。」

すり、と頬を辿った深澤の指がAの下唇を撫でる。

「迷惑？Aは、俺からプレゼント貰うの、やだ？」
「…ちょっと、困ってる。私、同じだけ辰哉に返せないから。」
「返してほしくてしてるわけじゃないし、
　物じゃないもの、ちゃんと返してもらってっけど。Aが困んのも、やだね。
　どうしよっかねえ。」

最後にAの顎下をくすぐって、深澤の指は離れると、腕組みをする。
Aの眉尻も少しだけ下がった。

「記念日とか、そういう時にだけプレゼントするルールにしない？」
「無理。全然足りない。」
「じゃあ、1回の金額設定する？」
「しても良いけど、多分その擦り合わせが上手くいかないと思う。」
「……辰哉、妥協する気はある？」
「話し合う気はある。」
「……、じゃあ、私に買うかどうかの判断を委ねるのは？」
「全部要らないで終わるじゃん。」

首を横に振った深澤にAが溜息を吐くと、深澤は組んでいた腕を解いて、両腕を広げた。
顎を少ししゃくる。

「なに？」
「おいでって。」
「嫌。誤魔化そうとしてるでしょ。」
「今日１日じゃ結論出ねえなとは思ってる。」
「…そうね…。」

はあ、ともう１度溜息を吐いて、もたれるようにAが深澤の胸に体を預ける。
雑誌が床に落ちる音を聞きながら、深澤がAの頭をゆっくりと撫でる。

「困らせてごめん。」
「思ってないくせに。」
「思ってるって。」
「じゃあ、辰哉が妥協してよ。」
「それとこれとは別。」

Aの髪を耳にかけて、露わにさせた耳を深澤の指が撫でると、Aの肩が跳ねた。