Sweet poison for you(Tatsuya.F) (ページ3)

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Sweet poison for you 3 ページ3

深澤は、何でもかんでも手当たり次第にAにプレゼントをくれるわけではない。
こうしてちゃんと、深澤がAの事を考えて、深澤が選んだ物を、Aのためにプレゼントしてくれる。
それを知っているからこそ、Aも強く断れず、今までズルズル来てしまっている。

「…それシルバーじゃなくて、プラチナよ、辰哉。」
「え？ああ、通りで白っぽいと思った。で、どう？
　好きじゃない？似合うと思うけど。」
「さっきのネックレスより高いなあって思う
。」
「こっちのがキラキラしてんもんね。で、ど？」

ただ。
ただ、贈り物の金額に頓着がないだけなのだ、深澤は。

Aは溜息を吐くと、雑誌を持つ深澤の手に自身の手を重ねて下ろさせる。
それから、深澤と目を合わせた。

「辰哉。」
「なになに？」
「いつも色々プレゼントしてくれてありがとう。」
「ん？どういたしまして？え、なに？急に何？」
「どのプレゼントも、私のこと考えて選んでくれて、本当嬉しい。」
「うん？Aが嬉しいなら、良かった。
　で、何？何の話？」

深澤の手が雑誌から離れて、くるりと掌を返してAの手を握る。
Aの声のトーンに、ただのお礼ではない事を悟った深澤は首を傾げて見せながら、Aの表情を探るように瞳を細めた。

「嬉しいけど、流石に多すぎるよ。
　しかも、高価な物も多い。」
「ええ？そう？そんな事ないって。」
「そんな事あるよ。」
「ないって。まあ、あるとしても、よ？
　俺が好きでやってるんだから、
　Aは気にしなくていいよ。」
「気にするよ。分かるでしょう、
　私がそういうの気にしないの無理だって。」
「分かるけどさあ。俺が買い物すんの、好きなのも、A分かってるでしょ。」
「分かってる。だから、辰哉が辰哉の物を買うのは
　取り敢えず今は止めない。」
「取り敢えず今は、なんだ？」
「今より加速するようなら、ちょっと考えるかも。」
「ええ、マジか。俺そんな酷いかね。」
「酷い…っていうか、ちょっと色んな意味で心配。
　じゃなくて、取り敢えず今は辰哉自身の物を買う話は保留でいいの。」
「うん。でもさ、Aにプレゼントしたいって
　俺が思って買うんだから、俺が自分の物買うのと実質同じじゃね？」

握ったAの手を指でくすぐり始めた深澤に、Aが眉間に皺を寄せる。