Sweet poison for you(Tatsuya.F) (ページ2)

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Sweet poison for you 2 ページ2

「終わったぁ。」
「辰哉の分のトマト、冷蔵庫入れてるよ。」

ふらりふらりと戻ってきた深澤に、雑誌に目を落としたままAが答えると、ええ、と声を上げながら深澤がAの隣に腰を下ろす。

「全部食べて良かったのに。」
「辰哉が買ってきてくれたのに、流石にそれは。」
「そう、俺がAに買ってきたんだから、
　Aが全部食べていーの。」
「私は美味しいものは、半分こしたいの。」
「えー、何それ、かわい。
　じゃあ明日一緒食うか。何読んでんの？」

Aの開いている雑誌を覗き込んだ深澤に、まずいと雑誌を閉じた時には時既に遅し。

「え、何で閉じんの？
　今モデルさんが付けてたネックレス、
　Aに似合いそうじゃね？ちょっと見せて。」
「似合わない似合わない、それに好みでもない。
　そんなこと言って、綺麗なモデルさん見たいだけでしょ。」

案の定そんなことを言い出した深澤に、話題転換を図りつつ、慌ててAが雑誌を背中に隠すと、深澤が笑いながら雑誌に手を伸ばす。

「はあ？まあ、Aがそう思いたいならそう思ってても良いけど、ほら、雑誌貸して。」
「やだって、辰哉が綺麗な女の人見て、鼻の下伸ばしてるの見たくない。」
「んなこと、思ってねーでしょ。嘘が下手だねえ。
　嘘はいいから、ほら。貸してみ。」
「あー、もう、恋人の前で他の人見たいとか最悪〜。」
「はいはい、俺は悪い男ですよ〜。
　ぁれ、どのページだ？あー、これこれ。」

雑誌のページを捲る深澤は、すぐに先程のページを見つけると真剣な顔でネックレスを見ている。
さっきの一瞬でそのページを記憶した深澤の目と記憶力の良さは、素晴らしい。
なんて、若干の現実逃避をしながら、諦めたAがソファの背に持たれて天井を見上げていると、持ち上げた雑誌をAの首元に当てて、深澤は難しい顔をし始める。
実際にAが付けているイメージをしているのだろう。ううん、と唸る声が上がる。

「もうちょっと、Aには細いチェーンが良い？」
「さあ。」
「んー、これだったら、さっきあった、
　あ、これこれ、こっちのシルバーの方が似合いそう。ね、これはど？」

別のページを再度Aの首元に掲げて、数度頷いた深澤はそのページをAに見せる。