Filled with happiness(Tatsuya.F) (ページ2)

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Filled with happiness 2 ページ2

「３人でなあにやってんの？」

テーブルの横に立った深澤が
広げられた紙の１枚を持ち上げて見れば
書かれているのは沢山の円と
その円を分割する線、そして。

「分数？」
「ふっかさん！？あかん！見んといて！」

深澤が手に取った紙を引き抜いて
テーブルに広げた紙も自分の方に寄せた向井に
深澤の右眉が持ち上がった。

「分数の勉強してんの？」

少しだけ遅れて、深澤の隣に並んだ阿部が
深澤の問いに、向井を見ると
気まずそうに唇を尖らす顔。

「ふっかさん、阿部くん、撮影終わったの？」

そんな向井を見かねたのか、
ラウールが割って入る。

「うん。さっきね。ラウール達は何してんの？」
「勉強会。俺が生物の宿題で分かんないとこあって
　A先生に教えてもらってたら
　康二くんも参加した感じ。」
「ふうん。」

深澤が向井からラウールへと、目を動かして
そしてにっこりと、いつもの兄の笑顔で。

「ちゃんと宿題やって偉いね、ラウール。
　俺なんか、普通に宿題とか人の写してたわ。」
「ふふふっ。」

深澤がくしゃくしゃとラウールの髪を撫でると
嬉しそうにラウールが破顔する。
最年長が最年少を甘やかす図に
阿部とAが思わず目元を緩める中、向井だけはコソコソとテーブルの上の紙を回収している。

向井が引っ張った、紙の１枚に深澤が手を置いて止めた。

「で、康二は何で急に算数？」

びくっと分かりやすく肩を跳ねさせた向井が
ちらりとラウールとAを見て
首を小さく横に振ると、２人もそれに頷いて返している。
そんな３人だけの空気感に、深澤が面白そうに口角を上げて笑う。

「なになに。ラウール達は理由知ってる感じ？」
「んー。」
「俺と阿部ちゃんには教えてくれないの？」
「教えないっていうか…。」
「俺たちだけ仲間外れだって。
　寂しいねえ、阿部ちゃん。」