Merry Xmas2023(Ryohei.A) (ページ2)

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echtes Weihnachten 2 ページ2

今年のクリスマスは、何かコンセプトを決めてパーティーらしいことをしよう、と言い出したのはAで、じゃあ王道のドイツにしようと言ったのは阿部。

世間で言うクリスマスはとっくに過ぎたけれど
おかげで飾り物はお安く買えて
ついつい買い込んでしまった飾りでAの部屋は賑やかだった。

ケーキの飾り物も買い込んでしまって
２人で悩みながら、雪だるまやツリー、
サンタの飾りを沢山乗せてしまったケーキは
随分重量が増してしまった。
結局食べる時は外してしまうのにね、と
子供が喜びそうな仕上がりになったケーキに
２人で笑い、そのケーキは今冷蔵庫で休憩中だ。

「あ、チキン焼けたの？」
「うん。亮平くん、オーブンから出してくれる？
　あっ、ちゃんとミトン付けてね？
　火傷しないようにね？」
「はーい。」

オーブンレンジを開けた阿部は、チキンレッグの乗った天板を取り出して。

「……Aさんごめん。」
「ん？」

皿に野菜を乗せていたAが顔を上げると
眉をハの字にした阿部が天板を持ったまま、立ち尽くしていて。

「これ、置く場所空ける前に取り出しちゃった…。」
「っふ、ふふ、ちょっと待ってね。ふ、ふふ。
　今まな板とかズラすから。」

困り顔の阿部の言葉に、Aは堪えきれていない
笑いを微かに漏らしながら、天板を置くスペースを空けて、鍋敷きを置く。
そこに天板を置くと、阿部はほっとしたように息を吐いた。

「良い匂い。」
「本当ね。味も良いといいんだけど。」
「知らないハーブも沢山あったもんね。」
「ね。後半、亮平くんの自由研究みたいに
　なってたわよね。」
「懐かしい響きだなあ、自由研究。」

2人とも、きっと自分達が思うよりも
このクリスマスに浮かれていて
メニューを決める時にも発揮された
謎のこだわりと探究心は、どうしたら美味しいチキンが焼けるかの話し合いを盛り上げた。
その結果、阿部はとうとう使うハーブのリストなんて作ってしまって、折角ならと
そこには効能やら和名やら、図鑑のような情報まで追加されて、Aの言う通り、まさにそれは自由研究のレポートのようだった。

そうして出来た研究の成果たるチキンを皿に盛り付けながら、２人で話し合った時間を思い出して
2人は顔を見合わせてくすくすと笑った。

「よし、これでOK。亮平くん、これ運んでくれる？」
「勿論。」
「ありがとう。私、ホットワイン持って行くね。」
「はーい、ありがとう。お腹減ったあ。」