九十三、【歪んだ世界とまほろば】 ページ8
＿Aside＿
紫さんが、ﾀﾋんだ……。
受け入れたくなかった、信じたくなかった。
でも、何時まで経っても紫さんは家に帰って来ないし 連絡だって途絶えている。
若しかしたら、若しかしなくとも…。
本当に、紫さんは……。
「……あの場所に戻れば、帰ってくるかもしれない…」
紫さんが、余を最初に見つけてくれたように……。
あの路地裏で、待っていれば……きっと＿＿＿
･････
･････
?「式部が云っていた子供とは、君か？」
和装で、銀髪で。険しい目つきで帯刀している、長身の男。
見ず知らずの男の口からは、何故か師の名前が出てきたのだ。
「……誰、…」
如何して、師を知っている…？
如何して、余を知っている…？
如何して…、如何して……？
如何して師は、帰って来ない……?
?「私は福沢、福沢諭吉。紫式部は古い友人で、訳有って 君を迎えに来た」
師の、友人…？
‘迎えに来た’…？余、を…？
「…師、は……？
紫さんは、何で…？」
余、見放されたの…？何か、紫さんを怒らせた…？
……捨てられ、た…
「違う、違う……！
師は余を見捨てたりなんかしないっ…！」
きっときっと、此の男が師を何処かへ連れ去った。
じゃなきゃ、紫さんはﾀﾋんだりしないもの…。
だって、可笑しいじゃない……。
ねぇ、そうでしょう…？
?「あｧ、ソイツは手前ェの師を利用して 手前ェを手に入れる算段だ。
耳を貸す事ァ無ェ、A…」
そう、なんだよね…。
うん、きっとそうなんだね……？
?「ほら、教えたハズだぜ？
手前ェを俺の元から離そうとする奴が居たら、如何すンのか…」
ゆっくりと、福沢と名乗った男の前に歩み寄る。
「……嘘つき…。
嘘つきっ……！」
師と居た時でも、ずっと肌身離さなかった 家の形見とも云える刀を
福沢という男の目の前で振りかざした。
「……ねぇ、本当に師は来てくれるの…？
だって、××の云う通りにしたって…全然…」
あれ、……。余、今なんて云ったんだろう…。
何か、可笑しい……
?「馬鹿云え、ンな訳無ェだろ？
手前ェが俺の云う通りに動いてくれりゃ、きっと帰って来てくれるぜ？」
……黒いお洒落な帽子に、物珍しい色の髪…。
矢っ張り、此れは 可笑しい……
だって、だって…余 ちゃんと福沢さんとっ！
･････
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総仁(プロフ) - 蒼い月さん» コメントありがとうございます! 文ストからしばらく離れた弊害ですね、思いっきり間違えてました( ; ゜Д゜) ご指摘ありがとうございました！ (2018年9月5日 16時) (
レス) id: 99e155bd2e (このIDを非表示/違反報告)
蒼い月(プロフ) - 更新頑張ってください！あと、中也さんの太宰さんの呼び方なんですが、クソ蛞蝓ではなく、クソ鯖だと思います。 (2018年9月5日 13時) (レス) id: 4d8d336456 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：総仁 | 作成日時：2018年3月19日 23時
