5話 ページ6
「……何か困り事……ですか?」
「そうだった!探偵社に来い!人手が要る!」
国木田さんは、そう叫ぶ。
その姿に、太宰さんが「何で?」と聞いた。
「爆弾魔が人質連れて探偵社に立て籠った!」
……あ、俺関係ないみたいなので……。
「何してるの!行くよっ!」
「え……。」
中島さんに腕を引っ張られる。
はい、着いていけば良いんですね。分かりました。
「嫌だァ……もう嫌だ……。」
ガタガタと震えながらそう言う男性は、左手に爆弾の起爆装置(?)を持っている。
……成る程。押せばドカンと言うわけか。
「ぜんぶお前らの所為だ……『武装探偵社』が悪イんだ!」
そう言って、ギリッと歯を食い縛る男性。
色んな処から恨みを買ってるんだな……。
「社長は何処だ!早く出せ!でないと――爆弾で皆ふっとんで死ンじゃうよ!」
男性の足元には、1人の女性。
人質か……。
「あちゃー」
太宰さんの呟きが聞こえる。
その横では、中島さんが焦った顔をしていた。
「怨恨だ。犯人は探偵社に恨みがあって社長に会わせないと爆破するぞ、と。」
「ウチは色んな処から恨みを買うからねぇ。」
そこまで言うと、太宰さんは爆弾をじっくりと見た。
そして俺達に告げる。
「うん。……あれ高性能爆薬だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね。爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど……この状況じゃなぁ。」
……被せるって、コートでも良いのかな。
「どうする?」
「会わせてあげたら?社長に。」
「殺そうとするに決まってるだろ!それに社長は出張だ!」
大変な事を顔を変えずに言う太宰さん。
……国木田さん、ナイスツッコミです。
「となると……人質をどうにかしないと。」
太宰さんのその言葉を合図に、2人はじゃんけんを始めた。
あいこ
あいこ
3回目、太宰さんがパーで国木田さんがチョキ。
太宰さんはニタァと笑った。
対する国木田さんはぐぬぬと悔しそうである。
太宰さんは、国木田さんに早く行くように促した。
国木田さんはワナワナと震えながらも、爆弾魔のもとに行く。
「おい。落ち着け少年。」
「来るなァ!吹き飛ばすよ!」
国木田さんが声をかけると、爆弾魔は叫び起爆装置に手をかけた。
国木田さんはそれを見て両手をあげた。
「知ってるぞアンタは国木田だ!アンタもあの嫌みな『能力』とやらを使うンだろ!?妙な素振りをしたら皆道連れだ!」
「まずいねこれは。探偵社に私怨を持つだけあって、社員の顔と名前を調べてる。」
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来栖久遠 - そうですね。書き直します!コメントありがとうございました! (2018年5月12日 19時) (レス) id: 7d8c2c7b97 (このIDを非表示/違反報告)
つお/どさんこ(プロフ) - 異脳者ではなく異能者では?異能力を持つ者、という意味があるなら「異能者」が合ってると思いました。頑張ってください。 (2018年5月12日 18時) (レス) id: 686c535011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖久遠 | 作成日時:2018年5月5日 18時