2話 ページ3
「苦労は凡てお前の所為だこのじ殺嗜癖!お前はどれだけ俺の計画を乱せば――」
「そうだ君。良いことを思いついた。彼は私の同僚なのだ、彼に奢ってもらおう。」
「へ?」
国木田さんの言葉を遮って、黒髪の人が白髪の人に聞き俺そっちのけで会話が進んでいく。
「聞けよ!」
「君、名前は?」
「中島……敦ですけど。」
白髪の人は中島さん。
黒髪の人の名前は何なのだろう。
「ついて来たまえ敦くん。何が食べたい?」
「はぁ……あの……。茶漬けが食べたいです。」
中島さんの答えを聞き、黒髪さんは
「ぷっ」
と吹き出した。
それから
「はっはっは!餓死寸前の少年が茶漬けを所望か!」
そう言って、笑い出す。
「良いよ。国木田くんに30杯くらい奢らせよう。」
「俺の金で勝手に太っ腹になるな太宰!」
黒髪さんは太宰さん……と。
太宰さんの理不尽な言動に、国木田さんが怒りを露にする。
「太宰?」
「ああ、私の名だよ。太宰、太宰治だ。」
それから、俺と中島さんは国木田さん達にご飯屋に連れていって貰う。
中島さんは先程の言葉通り、茶漬けをパクパクと食べている。
ちなみに、俺もそれを1つ頼んだ。
「おい太宰、早く仕事に戻るぞ。……仕事中に突然「良い川だね」とか云いながら川に飛び込む奴がいるか。おかげで見ろ、予定が大幅に遅れてしまった。」
国木田さんはそう言って、キッと太宰さんを睨む。
その視線だけで人を殺せそうだ……。
「国木田くんは予定が好きだねぇ。……と言っても、その子は君にも予定外……だよね?」
「ああ、1人の男に殴られかけていた。」
……俺のこと、かな?
「あの……その節は……どうも。」
「気にするな。好きでしたことだ……と言うか太宰。」
「ん?」
「いつも言っているだろう。これは予定表では無い!!理想だ!!我が人生の道標だ。そしてこれには「仕事の相方がじ殺嗜癖」とは書いていない。」
そう言って、国木田さんは手帳を机に叩きつけた。
そして、手帳をとんとんと指で叩く。
「ぬんむいえおむんぐむぐ?」
と、今まで黙って茶漬けを食べていた中島さんが顔を上げ何かを言う。
何を言っているかは分からないが。
「五月蝿い。出費計画の頁にも「俺の金で小僧が茶漬けをしこたま食う」とは書いていない。」
「んぐむぬ?」
「だから仕事だ!俺と太宰は軍警察の依頼で猛獣退治を――」
国木田さんはそう声を荒げ、ダンッと机を叩いた。
「君達なんで会話できてるの?」
太宰さんの気持ちも分かる…。
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来栖久遠 - そうですね。書き直します!コメントありがとうございました! (2018年5月12日 19時) (レス) id: 7d8c2c7b97 (このIDを非表示/違反報告)
つお/どさんこ(プロフ) - 異脳者ではなく異能者では?異能力を持つ者、という意味があるなら「異能者」が合ってると思いました。頑張ってください。 (2018年5月12日 18時) (レス) id: 686c535011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖久遠 | 作成日時:2018年5月5日 18時