10話 ページ11
「――良いのか、太宰。」
「――何がぁ……って、おどけてる場合じゃあ無いね。」
中島とAが居なくなった探偵社――
そこは嫌にシンとしていた。
皆が太宰を見つめている。
視線を受けている本人――太宰は国木田の言葉に少し微笑んだ。
「――昨日私が話したのは、単なる仮説だ。ホントかはわからない。――まだ、ね。」
その言葉に皆がハァと息を吐き出した。
「――まさか、あんな餓鬼があの事件の犯人とはねェ。」
「与謝野先生、仮説ですよ?」
「ですが、あの異能力__。」
与謝野の言葉を太宰がやんわりと否定する。
谷崎はおずおずと呟いた。
探偵社の面々はハァ、とため息を溢した。
それほど、今の話の内容は重いのだ。
「__様子見。」
と、その内の1人江戸川乱歩が不意に口を開いた。
「……様子見?」
「どう言うことでしょうか、乱歩さん。」
乱歩の言葉に皆が反応する。
乱歩は駄菓子を口に含みながら、皆に告げた。
「しばらく様子見だ。……あの様子、何人も人を殺したようには見えない。」
かつて、ヨコハマを騒がせた大事件。
その事件で何人もの人が死んだ。
だが、その事件……その死体には可笑しなところが2つあった。
其の1、不可解な死に方
其の2、出てこない凶器
被害者達は、何日間か行方不明になってから死体が見つかっている。
その癖、死体はまだ新しい。
死に方はそれぞれだった。
1人目の死体は、何かに溶かされたようにどろどろだった。
5人目の死体は、何かに食い荒らされたかのよう。
10人目の死体、それは見るも無惨なものだった。
コレは今から5年前のことである。
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来栖久遠 - そうですね。書き直します!コメントありがとうございました! (2018年5月12日 19時) (レス) id: 7d8c2c7b97 (このIDを非表示/違反報告)
つお/どさんこ(プロフ) - 異脳者ではなく異能者では?異能力を持つ者、という意味があるなら「異能者」が合ってると思いました。頑張ってください。 (2018年5月12日 18時) (レス) id: 686c535011 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖久遠 | 作成日時:2018年5月5日 18時