塩33g ページ35
ユンギside
俺が家まで送ろうとするも、Aはあの後帰っていった。
何でも、今別れないと離れたくなくなるからだとか。
エントランスまで見送った後、家へ戻る。
そこにはニヤニヤと気持ち悪い顔をしたジニヒョンとジミナにジョングギが。
「…なんだよ」
「いやー、Aヌナが帰って寂しそうだなあ、って」
「ユンギヒョンもAさんの前だと素直なんですね」
そうジミナが言うとゲラゲラと笑い転げるジニヒョンとジョングギ。
僅かだが、殺意が湧いたのは間違いない。
「まぁ、ユンギヒョンが幸せならそれでいいんですけどね」
さっきまで笑い転げてたジョングギは一変して柔らかな笑みを浮かべ、ジミナもジニヒョンも同じような表情をする。
「でもさ、ユンギ。彼女がいることぐらい教えてよ」
「ジニヒョンに教えたらめんどくさいじゃないですか」
そう言うとジニヒョンは「ユンギのパボ〜」と窓拭きのような甲高い笑い声で俺の背中をバシバシと叩いてくる。
普通に痛い、やめてくれ。
そんな叩かれながらふと、頭に疑問が過ぎった。
どうしてAが宿舎の場所を知ってんだ?
頭を過ぎった謎に、遅すぎるだろと思ったが、
謎は謎だ。
やっと叩かれ終わり、ソファに座り、考えてみるも分からない。
今までAに宿舎の場所だなんて教えたことがない。
ネットに情報が漏れてるとしても、部屋番号までわかるわけが無い。
...なら、何故分かったんだ?
「俺が教えたんだよ、ユンギヒョン」
バタン、とドアを閉めた音と共に聞こえたのはハスキーボイスな声、テヒョナからの声だった。
「…は?」
「誰がこの宿舎の場所をヌナに教えたのか気になるんでしょ?…俺が、教えたの」
勝手に教えてごめんね、と小さく謝るテヒョナ。
「なんで教えたんだ?」
「ヌナが辛そうだったから」
「どういう意味だ、それ」
「ヌナが、ユンギヒョンに会いたいくて辛そうだったから、俺が教えたの」
そう言ったテヒョナの大きな瞳は伏せられて、ゆらゆらと悲しそうに揺れていた。
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しゃしゃねこ(プロフ) - 未緒さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです! (2019年4月29日 22時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
未緒(プロフ) - おもしろかったです。 (2019年1月6日 15時) (レス) id: 36c5d68dfd (このIDを非表示/違反報告)
しゃしゃねこ(プロフ) - KangOneさん» コメントありがとうございます。キュンキュン?!うわあ、最高の褒め言葉ありがとうございます!!このユンギさん、甘々デロデロすぎて元のユンギさんが行方不明になってしまいましたが笑笑 何回も見返してくださってるんですか?!嬉しすぎます!ありがとうございます (2018年9月9日 22時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
KangOne(プロフ) - 初めまして!この作品すごく好きです、めっちゃキュンキュンしました!!私はユンギペンで、こんなに愛されたいなあと思いました(笑)何回も見返してニヤニヤしてます! (2018年9月9日 0時) (レス) id: 6681273a8f (このIDを非表示/違反報告)
しゃしゃねこ(プロフ) - ぽぬこんさん» コメントありがとうございます。ユンギペンなんですか!! キュンキュンしてくださりありがとうございます笑 (2018年4月29日 21時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃしゃねこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/KanonGintoki/
作成日時:2018年4月7日 6時