塩26g ページ28
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お互いがお互いに謝るなんて、今の今まで無かったため、なんだか変な感じだ。
ユンギが謝ってくるだなんて今まであっただろうか。無かった、はずだ。
未だ顔を埋めているユンギを見ると、胸がキュッと高鳴り、愛おしくて仕方がない。
そんな気持ちから溢れ出るように言葉は出てしまった。
「ユンギ、好きだよ」
言ってしまっては既に遅し。
ユンギは目を見開いてこっちを見ている。
それもそうだろう、普段愛情表現が苦手な私がこんなことを言うなんて誰も思いもしない。
恥ずかしさ故に顔を伏せると、顎をぐいっと持ち上げられた。
「そんな可愛い事言ってると、襲いそうなんだけど」
そう言い放たれた瞬間、唇に熱くて柔らかいモノが乗った。
それはユンギの唇で。
何度も何度も角度を変えてキスをするその様は、まるでユンギの愛を刻み込まれているかのよう。
深くて、甘美で、一度ハマれば抜けれない沼のような愛。
時折唇の端から漏れる自分自身の嬌声を聞いて恥ずかしくなると、その度ににやりとユンギは微笑む。
そしてまた、ユンギの愛を刻み込まれるんだ。
やっと唇が離されたかと思えば、今度は首筋に。
小さな痛みが走ったかと思えば、また別の場所に痛みが走る。
「やっ、ゆ、んぎ…」
「俺のなんだって、教えてやる」
そう言い、また痛みを加えるユンギ。
何言ってんだろう、ユンギは。
「私、ユンギ以外の何物でもない。
私はユンギだけのものなんだから、」
私の心も身体も、全部全部ユンギに奪われて、ユンギのもの。
そんなの、とっくの前からだった。
ユンギは顔を少しだけ赤くさせ、目尻を細めてゆっくりと私を抱きしめる。
「好きだ、A」
「私も」
「今夜は優しく出来そうにねぇ」
優しく抱きしめられたまま囁かれる。
そこにまたユンギの愛を感じた。
いつも優しくないくせに、なんて言うと怒るかもしれないから言いそうになったのを堪える。
「いいよ、ユンギの好きなようにして」
ユンギの抱きしめに答えるよう、首に手を回す。
そうするとユンギは熱っぽい目で私を射止めて、
熱く低い声で耳元で囁いた。
「嫌って言うほど、愛してやる」
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しゃしゃねこ(プロフ) - 未緒さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて幸いです! (2019年4月29日 22時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
未緒(プロフ) - おもしろかったです。 (2019年1月6日 15時) (レス) id: 36c5d68dfd (このIDを非表示/違反報告)
しゃしゃねこ(プロフ) - KangOneさん» コメントありがとうございます。キュンキュン?!うわあ、最高の褒め言葉ありがとうございます!!このユンギさん、甘々デロデロすぎて元のユンギさんが行方不明になってしまいましたが笑笑 何回も見返してくださってるんですか?!嬉しすぎます!ありがとうございます (2018年9月9日 22時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
KangOne(プロフ) - 初めまして!この作品すごく好きです、めっちゃキュンキュンしました!!私はユンギペンで、こんなに愛されたいなあと思いました(笑)何回も見返してニヤニヤしてます! (2018年9月9日 0時) (レス) id: 6681273a8f (このIDを非表示/違反報告)
しゃしゃねこ(プロフ) - ぽぬこんさん» コメントありがとうございます。ユンギペンなんですか!! キュンキュンしてくださりありがとうございます笑 (2018年4月29日 21時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゃしゃねこ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/KanonGintoki/
作成日時:2018年4月7日 6時