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海の家 ページ10
海の家の売り子のAの艶やかさに魅せられて
入り浸る若者の男達が後をたたなかった。
旅行者には、
出発を一日一日と引き延ばす男もいた。
見事な黒髪に、陶器のような白い肌、
気品のある物腰、淑やかな愛想、
繊細な知性は、漁師町の女には無い魅力だった。
昼間中自然と男をはべらせる。
目線だけでパラソルをささせる。
わざと思わせぶりな態度をとっては、苦しめる。
小悪魔的な魅力に取り込まれる。
子供みたいに物語や歌をせがんでは、
上手く無いと
A「用事を思い出したの」
と言って、すぐどこかへ行ってしまう。
TH「この子は男をダメにするタイプだな」
早朝の真面目な彼女とのギャップに、
違和感を感じた。
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作者名：nana | 作成日時：2022年8月20日 22時
