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夜の海 ページ26
A「夜の海を見てると、怖くなるの。
でも何が怖いのか、思い出せないの」
ホソクは黙って静かに聞いてくれる。
不思議と、自分の胸の内を明かしてしまう。
A「去年の夏、避暑地の海で溺れたらしいんだけど、
記憶が曖昧なのよ」
A「真っ暗な水族館みたい。
そこに何かあるのは分かるけど、
光に照らされた水槽しか、見ることはできないの」
くだらない話を、ただ黙って聞いてくれる。
ホソクには何でも話せた。
見覚えのある、ライフセーバーのオレンジ色のベスト。
もしかして、ホソクが私を助けてくれた人？
でも確かめようとするたび、話を逸らされてしまう。
何となく、触れてはいけない気がする。
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作者名：nana | 作成日時：2022年8月20日 22時
