BTSのマネージャーさん (ページ9)

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ヨンジュンSide

母が雛を抱っこして連れて帰って来た時、僕はすでに小学校へ上がってある程度の状況は把握できる歳になっていたから、僕が今日からこの子のお兄さんになるんだとすぐに分かった。

僕よりちょっとだけ年下のその子は、歳のわりには小さくてすぐ折れてしまいそうなそんな感じの印象だった。

その日は、ジスヌナにも宿舎から帰ってきてもらってジミニヒョンも学校を早退させられて、僕も例にもれずヒョンと並んで家に帰ったことを思い出す。

とにかく、その日に僕たちは兄妹になった。

うちの家庭は父の仕事柄、日本に触れることも多かったので、今日できた新しい妹が日本人であっても、僕たちにはさほど関係のないことだった。

それよりも、今にも消えそうで綺麗なガラスの玉のような雛のことを見た瞬間に、姉弟全員がこの子を守ってあげないといけないと思ったのだろう。

それからの僕たち姉弟は雛にとことん過保護に接した。

あの子が寂しくならないように。

シスコンなどと周りから言われたが、そんなことはどうでもよかった。

まず初めに、一番に雛、二番に雛、そんな感じの温かい家族をみんなで作り上げた。

血がつながって無くても、僕たちには関係のないことだったし、もしかしたらみんな血のつながった人よりも雛のことを大事にしていたんじゃないかって思うぐらいに仲が良かった。

でも、やっぱり芸能活動するうえで、グループに属すと必然的に宿舎というものに住むことになる。

父と母も日中は仕事でいない。

ということで、ジスヌナが自らのグループの宿舎に雛を住まわせ、そこから近い専門学校に雛を通わせた。

就職先の見つからない雛に、メイクという職をあたえたのも、ヌナだった。

普段、雛に怒ってばっかりのヌナだけど、実際はヌナが一番に雛のことを心配してるんじゃないかと僕は密かにそう思っている。

そうして、雛の生活がやっと落ち着いたという連絡を貰った矢先にこの話が俺の耳に舞い込んだ。

その話はヒョンの耳にも、同じく入ったようで、その話が出た次の日には、ヒョンと一緒に社長室に来てた。

その流れで、なぜか今日にいたるわけだ。

BTS先輩はとても尊敬すべき存在であることは分かってるけど、彼らにどうしても納得がいかない点があるとするならば、反日が多いということだろうか。

今までに、何人もの日本人スタッフさんが泣かされて辞めていくのを間近で見てきたから。