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ヨンジュンSide
YGからBIGHITへの帰りの車。
車内は、僕とシヒョクヒョンだけだった。
ジミニヒョンは仕事の為に途中下車して、運転手さんを除けば本当に二人きりだ。
この際、自分の考えをヒョンにぶつけてみよう。
そう思ったけど、ヒョンとは長い間プライベートな話をしてこなかったせいか、話し方が分からない。
うちの家には昔は良く父が仕事の場で知り合った人や親戚の叔父や叔母が出入りしていた。
それだけ、父は周りから好かれる素敵な人だ。
僕たちには、厳しいことも言ったけど、それも心配故の言葉であって、決して子供に手を上げるような父親では無かった。
母も同じように人望が厚い人だが、母は父とは対照的に自分の知り合いにプライベートまで踏み込まれたくない人だったから、家に母の友達が来たのは見たことがない。
でも、子供のことになると一生懸命で、一心に愛情をかけてくれる母親の鏡のような人だ。
そして、小さい頃の俺にとって、シヒョクヒョンは父が連れてきた人の一人だった。
ところが、ヒョンは会社を立ち上げることになって、忙しいことを理由にうちへは遊びに来なくなった。
会社を設立した後も、ダンスや舞踊に興味のあるジミニヒョンをスカウトしたり、僕のことをスカウトしに来たり…
何度か会う機会はあったけど、会社に所属してからは本当に事務的な仕事の話しかしてこ無かった。
そんなヒョンが、会社に所属してから僕たち兄妹に初めて家のことについて尋ねてきたことが有った。
それが、雛についてだったのだ。
雛は、ヒョンが忙しくなって、うちに来れなくなった時ぐらいに、ちょうどうちに来た子だから、ヒョンは3回程しか会ったことはない。
お互いに、名前も顔も知ってるけど、それ以上のことは何も知らない、いわゆる顔見知りのような状態だった。
ジスヌナも小さいころから事務所に入って仕事してきたためにヒョンにはあまりあったことは無かったけど、それでもヒョンはヌナの好みを把握しているのに。
ヒョンは雛のことは3回程度では把握しきれなかったらしい。
なぜなら、うちの雛が極度の人見知りで、初めてあった人とは会話のキャッチボールがうまく出来なかったからだ。
今でこそ、うるさいぐらいに話す子だけど、昔はそんなんじゃなかったんだ。
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作者名：雛
| 作成日時：2021年8月11日 19時
