クリムゾン・ラヴ (ページ9)

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「はぁー…、うっざ」

あの日、俺の事をビンタして別れたはずの

サランからひっきりなしに届くカトク

『叩いてごめん』

『やり直して』

『テテが好き』

なんでだろう

別に、元から好意なんて無かったけど

Aちゃんに出会ってから

俺に媚びてくる、Aちゃん以外の女が

すごく価値の無いモノのように思えてくる

サランの、あのキツくて甘ったるい香水の匂いを思い出しただけで

もはや、吐きそうになってくる

Aちゃんに会いたい

顔を見て、触れて、抱きしめたい

そんな思いが日々募っていって

ストレスすら溜まっていた俺は

サランにそれをぶつけた

『テテ！！』

電話をかけると、瞬時に聞こえる

あのキンキン声

また一つ、ストレスが溜まった

あー、なんでこんなのと

つるんでたんだろう

『どうしたのっ？今から会いに…』

「お前、本当にしつこい。
もう連絡してくんなって、何回言ったら分かんの？」

『でもっ……、な、なんでそんな簡単に、あたしを捨てられるの！？』

「はぁ？何言ってんの？
お前のことなんか最初から、暇つぶしの道具でしかなかったけど。
つけ上がんな。気持ち悪い。」

ものすごく

嫌悪感を込めてそう言うと

スマホから聞こえていた

サランのすすり泣く声が止まった

　

『…そんな事言って、良いの…？』

「は？」

『私、全部知ってるんだからね？
絶対、許さない…。
あの女……っ』

そう言って

サランは電話を切った

俺の聞き間違いじゃなければ

サランは、切る間際

『殺してやる』

そう言った

ふと、思い出す

確か、サランも

Aちゃんと同じ学部だったっけ

あいつ

Aちゃんに

何する気だ