クリムゾン・ラヴ (ページ41)

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歯を磨いてる時に気づいた

鏡に映った首筋についてる赤い跡。

ん？なにこれ…。

寝てる間に虫に刺されたりでもしたのかな？

触ってみるけど痛くも痒くもない。

結構目立つな…。

「Aー、ちょっと来てー！」

気になって鏡に近づいて跡を触っていると

キッチンからテヒョンの声が聞こえた。

「はーい！顔洗ったら行くねー。」

まあ良いか。

そのうち消えてるだろうと急いで顔を洗ってキッチンへ向かった。

.

テーブルの上に並べられた

半分スクランブルエッグ状態の目玉焼きと

乱雑に盛り付けられたベーコンにトマトとレタス。

それに焦げたトースト。

不器用なテヒョンが今日は俺が作ると言って作ってくれた朝ごはんだ。

見た目は綺麗とは言えないけど

私のために作ってくれたって事が嬉しくて

胸が熱くなる。

「美味しい…！ありがとう。
でも急にどうしたの？」

「明日から大学始まるでしょ？
俺もそろそろ就活始めないといけないしお互い忙しくなるから、ご飯ぐらいは作れるようにならないとなーって思ったんだけど…。
俺、家事とか料理とかほんとダメなんだよね。」

気まずそうに目玉焼きをつつくテヒョン。

そう。今日は最後の夏休み。

明日からまた大学が始まる。

久しぶりに、本当に久しぶりに

友達に会える。

テヒョン以外の人と話が出来るんだ。

「無理しないで良いよ。そういうのは私が頑張るから。
でもほんと、ありがとう。嬉しい。」

「どういたしまして。
あれ？その首の、どうしたの？」

テヒョンがふいに私の首を指差す。

あ、あの赤い跡のことかな。

「朝起きたらなってたの。多分虫刺されだと思うんだけど。
寝室に蚊かなんか飛んでたりしてた？」

「俺はなんともないけど…。確かに蚊みたいなの飛んでたかも。
昨日うるさかったし。」

「あー、やっぱり。別に痒みとかないんだけどね。
嫌だな。目立つよね、ここ。」

「夏だし蚊は仕方ないよ！
A刺されやすい体質なんじゃない？」

テヒョンはにこにこと笑いながら言った。

蚊なんて、飛んでたかな…。

その日の夜は虫除けスプレーをして蚊取り線香を焚いて寝たけど

次の日にはもう2つ、赤い跡が増えていた。