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「Aがヒョンの事を思い続けても、それはヒョンを苦しめるだけなんじゃない？」
頭が真っ白になる。
信じたくない。
嫌だ。
「アイスコーヒーになります…。
ごゆっくりどうぞ…。」
「どうも。」
店員が気まずそうに持ってきたコーヒーを
無表情でテヒョンは飲んでいる。
「…嘘。
ねぇ、テヒョン嘘だよね？
ソクジン先生が結婚なんて…。ね？」
「嘘じゃないよ。
なんなら自分で確かめてみる？
今からヒョンに電話してみよっか？」
テヒョンはスマホを出し画面を操作し始めた。
スマホを耳に当てる。
小さくコール音が聞こえる。
無理。
そんな報告先生の口から聞きたくない。
やめて。
「…やめて。」
「…」
「ねぇ…電話切って…。
聞きたくない…。」
「…んー、仕事中かな？」
「もういいよ…。電話切ってよ…。
テヒョン…。」
「…あっ、ヒョン？
あのさヒョンって」
「やめてよ！！」
バンっとテーブルに両手をついた。
立ち上がる私。
倒れるグラス。
テーブルの上に溢れて広がる飲みかけのダージリン。
静まり返る店内。
「…ごめん、なんでもない。
え？違うよ。気にしないで。ヒョン切るね。」
「お客様！どうかなさいましたか？
あ、今拭くものをお持ちしますね…！」
店員の焦ったような声が遠くに聞こえる。
私、なにやってんだろ
力が抜けて、椅子に腰を落とした。
「…大きな声出してごめん…。」
そうだよね。
あんなかっこいい人
他の女の人たちが放っておくわけないじゃん。
会いたい。
名前を呼んでほしい。
触れてほしい。
先生、好き。
今となっては私のこんな想い全部
迷惑でしかなかったってことなんだ。
先生にはもう、私じゃない誰かとの幸せが待ってる。
私、先生の幸せ、壊したくない。
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作者名：virgo | 作成日時：2018年6月17日 1時
