43【YOU】 ページ43
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【YOU】
ジョングクのことを思い出して、
枯れるほど泣いて疲れて、
いつの間にか私は眠ってしまった。
目をパチリと開けると、もう外は暗くなっていた。
『……じみん?』
わたしの前にはジミンが立っていた。
お昼すぎに帰っていったよね?
部屋が暗くて、表情はよく見えない。
JM「ねえ、A」
普段の声よりもずっと低い声で。
『……どうしたの?』
ジミンの手は、足の横で固く結ばれていて、
なんだか怖くなった。
JM「Aはさ、なんで消さないの?」
『え?』
JM「……なんでお前のなかからジョングクは出ていかないの?」
『……』
ジミンの口から出た言葉にただただ動揺してしまった。
わたしの手にあるノートと手紙。
部屋にまだ残るジョングクのマフラーやお揃いのマグカップ。
JM「ずっとずっと目を逸らし続けて来たけれど、もう我慢の限界だ。いい加減忘れてくれよ」
『っ』
JM「あいつがお前を捨てた日から、もう二年以上経ってんだよ、」
"捨てた" ?
ジミンに言われて初めて気づいた。
……わたし、捨てられてたんだ。
はらはらと涙が出てくる。
いやだ
いやだ
『じみ、ん、やだ、かえって、、』
JM「……俺が帰ったらどうすんの?お前はまたジョングクを想って、雪見て泣くだけだろ?
なあ、俺は何年お前の側にいたって、何度抱きしめたって、何度キスをしたって、一生ジョングクには勝てないの?
デートする度に、ジョングクに似た背丈のやつがいたら焦った顔でそっちの方見るお前に傷つくこっちの身にもなってよ。」
わたし、ジミンをずっと苦しめてた。
優しさに甘えて甘えて、傷つけてることに気づかないふりしてた。
ジョングクがいなくなって二年間、
いや、小さい頃からずっと、ジミンはわたしの側にいた。
もう、ジミンを縛り付けたくない。
そう思うのに、
『ジミン、ジョングクのことはもう忘れるから、だから、一人にしないで……』
わたしは弱い人間だ。
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wannablecarat3(プロフ) - わたしが初めて#wannaoneで妄想を読んで泣いたお話です。もう一度読みたくてツイッターで探していたのですが見つからなくて(ほんとに半年くらい探してました笑)やっと見つけられました( ; ; )このお話とってもダイスキです。また読ませてもらいます!! (2018年11月24日 13時) (レス) id: 39e8549199 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - すごく泣いてしまいました(TT)まさに求めてたような内容で...(><)!素敵な作品ありがとうございます。続きも読ませてもらいますね (2018年1月8日 23時) (レス) id: f78d992b41 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - すごい泣いてしまいました、こういう作品をずっと探してたんです!これからも頑張ってください! (2017年5月6日 23時) (レス) id: 51c1afe3ea (このIDを非表示/違反報告)
mitunaynxx0917(プロフ) - 分かりました!楽しみに待っています! (2017年5月2日 23時) (レス) id: 7338e1e59a (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - mitunaynxx0917さん» 二章はまだ下書き中なので公開していません(T_T)しばらくお待ちください (2017年5月2日 9時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月野 | 作成日時:2016年12月3日 10時