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(TH)
1限、Aとジミンが授業をサボった。たぶん。
登校した形跡はあるから。
……受験期なのになにしてんだよ、あいつら。
Aは、頭良いし釜山で一番の大学が第一志望で合格圏内って言われてるけど、
ジミンは、まぁ悪くは無いんだけど、この間の模試の結果が返却されたときにちらっと見えて、Aとおんなじところを第一志望にしてた。
判定はC。
一途っていうか、バカっていうか。
まあ俺が言うのもあれか。
へミとはずっと友達以上恋人未満のままだし。
あいつ絶対俺の気持ち気づいてないふりしてるから。俺のこと好きなのも見ててわかるし。
いま付き合うってなっても、二人して大学落ちるかもしれないから、ちょうどいいけど。
……でもジミンの場合は完全に一方通行だから。
少し前に「なんでまだAのこと好きでいられるの?」って聞いたら、
あいつ、いまにも泣きそうな顔で、
「……わからない。でもどうすることも出来ないんだ。
ずっと、好きで、でもあのジョングクってやつから奪う勇気もなくて。
大学生になったら、あいつらがすれ違う時間が増えたりして、自然消滅しないかな、とか考えちゃうんだ。それで、俺、ほんとズルいからさ、弱みにつけこんだり出来ないかな、とか。
ほんとどうしようもないよな。
直接真正面から向き合うこともしないくせに。」
そんなことを言ったんだ。
どう、返事をしていいのか、わからなかった。
ジミンが知っているかはわからないけど、
へミが言うには、Aとジョングクって二年は、Aの家に一緒に住んでるらしい。
いろいろ深い事情があるらしいけれど、
……俺から見ててもあの二人につけ込む隙間なんてなくて、
まるで、パズルのピースみたいに、お互いじゃないとダメだって、
どちらかがいなくなったら壊れてしまいそうに見えた。
なあ、ジミン。
いつまで辛い恋してんだよ。
もうお前が、Aを見て、泣きそうな顔してるの見てられねーよ。
そんな言葉、何度口から出てしまいそうになったか。
ー
1限が終わり、休み時間になる。
すると、Aが自分の席に戻ってきて、
コートを羽織って、リュックを背負いだした。
ジミンはいまはいない。
「は、A帰んの?」
『あ、テヒョン。
うん、今日は早退する』
明らかにわかる作り笑いを浮かべて、
でも、その目は赤くなっていて、
「……泣いた?」
『へへ、ふられちゃった』
「…………まじで?」
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wannablecarat3(プロフ) - わたしが初めて#wannaoneで妄想を読んで泣いたお話です。もう一度読みたくてツイッターで探していたのですが見つからなくて(ほんとに半年くらい探してました笑)やっと見つけられました( ; ; )このお話とってもダイスキです。また読ませてもらいます!! (2018年11月24日 13時) (レス) id: 39e8549199 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - すごく泣いてしまいました(TT)まさに求めてたような内容で...(><)!素敵な作品ありがとうございます。続きも読ませてもらいますね (2018年1月8日 23時) (レス) id: f78d992b41 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - すごい泣いてしまいました、こういう作品をずっと探してたんです!これからも頑張ってください! (2017年5月6日 23時) (レス) id: 51c1afe3ea (このIDを非表示/違反報告)
mitunaynxx0917(プロフ) - 分かりました!楽しみに待っています! (2017年5月2日 23時) (レス) id: 7338e1e59a (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - mitunaynxx0917さん» 二章はまだ下書き中なので公開していません(T_T)しばらくお待ちください (2017年5月2日 9時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月野 | 作成日時:2016年12月3日 10時