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朝。
今日は平日。学校もある。
いつもと何も変わらない朝を迎える、はずだった。
私を抱き締めて眠るジョングクがいない。
……先に起きてるのかな、あんなに寝起きが悪いのに。
なんだか良くない予感がした。
慌ててベッドから下りて、
リビングの扉を開いた。
バタン
『っぐく!』
シンと静まりかえるリビング。
うそ、いない?
ドクン、大きく心臓が拍動した。
トイレは?お風呂は?キッチンは?
彼の名前を呼び続け、家の隅から隅まで探すけれど、
ジョングクはどこにもいない。
スマホを手に取り、
発信履歴の1番上にあるジョングクの名前をタップする。
「ーお掛けになった番号は、現在、使われておりません」
『……う、そでしょ?』
何が起こってるのかわからない。
だって、この家には、
ジョングクのマグカップだって、
ジョングクのマフラーだって、
ジョングクの歯ブラシだって、
ジョングクが好きだったカップ麺だって、
ジョングクが付けてたピアスだって、
ジョングクのスリッパだって、
ジョングクが使ってたシャンプーだって、
何もかもあるのに、何もかも残っているのに、
どうしてジョングクだけがいないの?
……もしかして、家に連れ戻された?
そうだよ、きっとそう。
絶対、学校には来てるよ。
そんな、わずかな望みにかけて、学校へ行くことにした。
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wannablecarat3(プロフ) - わたしが初めて#wannaoneで妄想を読んで泣いたお話です。もう一度読みたくてツイッターで探していたのですが見つからなくて(ほんとに半年くらい探してました笑)やっと見つけられました( ; ; )このお話とってもダイスキです。また読ませてもらいます!! (2018年11月24日 13時) (レス) id: 39e8549199 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - すごく泣いてしまいました(TT)まさに求めてたような内容で...(><)!素敵な作品ありがとうございます。続きも読ませてもらいますね (2018年1月8日 23時) (レス) id: f78d992b41 (このIDを非表示/違反報告)
みづき(プロフ) - すごい泣いてしまいました、こういう作品をずっと探してたんです!これからも頑張ってください! (2017年5月6日 23時) (レス) id: 51c1afe3ea (このIDを非表示/違反報告)
mitunaynxx0917(プロフ) - 分かりました!楽しみに待っています! (2017年5月2日 23時) (レス) id: 7338e1e59a (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - mitunaynxx0917さん» 二章はまだ下書き中なので公開していません(T_T)しばらくお待ちください (2017年5月2日 9時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月野 | 作成日時:2016年12月3日 10時