友達【完】 (ページ9)

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十年以上ぶりの再会でジミンの印象はガラリと変わっていた。

もじもじ恥ずかしがる、ふにゃふにゃ柔らかそうな笑顔の男の子は、

「あなたは母さんを放っておいて今まで何してたんですか！」

「母さんが一人でどれほど苦労してきたかも知らないくせに！今更父親面するのは止めてください、迷惑です！」

父親を冷たく鋭く睨みつけ、所構わず辛辣な言葉を言い放っていた。

真っ直ぐな言葉の刃で父親を切りつけながら、ジミンも傷ついてるように見えて、俺が辛かった。

【僕はとても寂しかった】、【もっと早くに会いたかった】

ジミンがそう訴えてるような気がした。

……今だから言えるけどさ、あの頃のジニヒョンはものすごい憔悴しきってたんだ。

お前もきっと辛かっただろうけどさ、ジニヒョンはもっと辛かったはずなんだ。

ジニヒョンが奥様が病気だって知った時の事、お前にいつか話してやりたかった。
でも、お葬式の日のお前を見たら、なかなか言えなくて。

二人の間のギスギスした雰囲気に、俺なんかがでしゃばっちゃいけないような、そんな気がして話せなかったんだ。

……ううん。気にすんなよ。大切な人を失った悲しみは俺もよく分かるから。

二人が少しでも和解できるきっかけを作ってやりたかったけどさ、あの頃の俺じゃもっとややこしくしちゃいそうでさ。

静観するってことも大切なんだって、二人を見てて思ったよ。

「ジ～～ミナ！」

「……何だよ、お前」

「ジニヒョンから俺、頼まれてるから」

「何を？」

「『一緒に居てあげて』って！」

それでも俺はジミンの心の支えになろうと近づいた。

離れていた時間が長すぎて、子供の頃みたいにすぐに打ち解けられる自信なんてなかったけれど、今このときだけでも一人で居させたくないって思って、ジミンの側にくっついてたんだ。