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――その日は澄み渡るような青空だった。
海の色のような青い空が好きだった母さんの最期を見送るような綺麗な空。
父さんとの出会いは最悪だった。
母さんの葬儀で喪主はてっきり僕だとばかり思っていたら、突然現れた夫だと名乗った男の人。
『ジミナ、僕のことは母さんから聞いてるかい？』
「……知りません、あなたの事なんか」
父さんの側には悲しい表情をした同い年くらいの男の子がいた。
『ジミニと一緒に居てあげてくれないか？僕はちょっと話ししてくるから』
「はい、分かりました」
『頼むね、テヒョンア』
「……テヒョン？」
初めて聞いたはずの名前なのに聞き覚えのある名前。
それが、頭の片隅に残っていた夢のような記憶の断片に残された名前だった。
「ジミナ？俺の事、覚えてない？」
「すいません。覚えがないです」
顔は忘れてたから、それが幼い頃の夢で見た男の子だと気づけなかった。
「……そう。取り敢えず、こっちに」
あの時のテヒョンと夢の中の笑顔の男の子とでは、まるで印象が違って見えたから。
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月12日 2時
