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「ジミニの父様は、お前を思わなかった日は一度だってなかったんだよ？母様のことを忘れた日は一日だってなかったんだよ？」
「きっと二人のところに帰らなかったのは、仕事以上に俺が居たせいだと思う。俺の教育係としての役目があるから会えなかったんだと思う」
「ふ、んっ……でもっ……」
「ヒョンに怒りをぶつける前に、俺にぶつけなよ。俺がジミニから父様取り上げちゃったんだから」
僕はそんなふうに思ったことなんてなかった。
僕だってテヒョンからお父様を奪っているんだ。
お前の大好きなお父様を僕が独り占めしているんだ……。
「俺に全部ぶつけていいよ……っ」
「う……うぅっ……」
テヒョンはまた僕に殴られる覚悟でいたんだよな。
僕の怒りや憤り、恨みや妬みを全部引き受けるつもりでいたんだよな。
「てひょんあ……おまえが……っ、うらやましい」
「……うん」
「父さんが居て……ユンギヒョンに……愛されてっ」
「……うん」
「僕にはっ！母さんしか居ない……母さんだけだったからっ」
「………………」
「でもっ……テヒョンイには……お母様が居ないからっ！そんな風に思っちゃいけないってっ」
僕にはテヒョンが欲しい物を唯一持っていた。
だから父さんのそばにいるテヒョンを羨んじゃいけないんだって、自分に言い聞かせてたんだ。
「テヒョンイが羨ましいだなんて……思っ……」
「……いいよ、聞く。全部言ってよ、俺に」
抱き締めあって号泣する僕達って、きっと変だったよね。
でも嬉しかったんだよ。お前が全部受け止めてくれたから。
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作者名：あがしおん
| 作成日時：2020年3月12日 2時
