友達【完】 (ページ12)

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「ジミニはジニヒョンのこと、そんなに嫌い？」

当時の僕には当たり前だった内容の質問には答えなかった。
答えたくないくらい、当たり前のことで口にも出したくなかった。

「それきっと、俺のせいでもあるんだよな？」

「何でそんなこと……」

ユンギヒョンから、父さんがテヒョンの教育係になってもう長いって話は聞いていた。
ヒョンは長に我が子を預けることに抵抗があったらしい。
他の仲間から贔屓されてるんじゃないかって思われることよりも、父さんが背負わなくていい他人の家族の問題を、あえて背負い込もうとしているように見えたからって。

「父さんが必要だって思ったからお前の教育係をしてるんだろ？父さんが決めた事を僕がどうこう言えないし、テヒョンイだって子供のうちからユンギヒョンと引き離されて寂しい思いしたんだろ？」

だったらテヒョンも僕と一緒だ。父さんに振り回されてる被害者だ。

「俺は納得してるから、お父さんと離れ離れでも寂しくはなかったよ？一番寂しそうだったのはジニヒョンだったよ？」

「それなら！なおさらさっさと母さんに会いに来ればよかったんだ。僕に殴られに来ればよかったんだ！
　僕等から逃げてばかりの弱虫の父さんなんか、僕は要らないよ！」

「お前っ……！実の父親だろ？要らないなんて酷い事言うなよ！」

「ファザコンのテヒョンイには分かんないよ！僕の気持ちなんかっ！！」

どちらからともなく手が出て、止まらなくなって、止められなくなって……。

取っ組み合いの喧嘩をしたのは、あれが初めてだったっけ。