Fake.16 ページ17
拓弥「…なーんてね。」
『えっ？』
拓弥「今、誰のこと考えてた？」
『今、？』
拓弥「うん。絶対、俺のことじゃなかったでしょ。」
そう言って、私の顔を覗き込む拓弥。
『えっと、』
あまりにも核心をつかれ、思わず言葉に詰まる。
拓弥「それがお前のほんとの気持ちだよ。」
『ほんとの気持ち？』
拓弥「ほんとは誰と幸せになりたいの？」
そんな拓弥の問いかけに驚きながらも、私の答えはただ１つ。
『ほんとは…』
拓弥「ほら、早く行ってこい！」
『えっ？どこに？』
拓弥「決まってんだろ？海のところだよ。」
『いや、でも…』
拓弥「勘違いすんなよ。さっきのはただの冗談だからな。」
『…え？さっきの全部？』
拓弥「当たり前じゃん。お前は世話のやけるただの幼馴染みだよ。」
そう言ってにーっと笑う拓弥に、悔しいけど思わず笑みが溢れる。
『もう！騙されたじゃん！』
拓弥「でも、それでほんとの気持ちに気付けただろ？」
確かに。拓弥の冗談がなかったら、きっと一生この気持ちに気付けなかったかもしれない。
『そうだね。ありがとう、拓弥。』
拓弥「おう！ほら、早く行かないと後悔すんぞ！」
そう言って私の背中を押してくれる拓弥に感謝しながら、再び夏祭りの会場に向かって走り出した。
『拓弥…ありがとう。』
会場を目指しながら、心の中で小さく呟く。
その頃。私を送り出した後、拓弥が１人で
拓弥「ばーか。冗談であんなこと言う訳ねーだろ。」
“Aのこと、今まで１度も幼馴染みなんて思ったことねーよ。”
儚く笑いながら、そう呟いていたなんて知る由もなくて。
拓弥「海…Aのこと絶対幸せにしてやってくれよな。」
そう呟く拓弥の頬を伝うのは、綺麗に光る一筋の涙。
この想いがAと海に届きますように。
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れな(プロフ) - 楽しみです！！！ (2017年1月13日 18時) (
レス) id: 94ec8d74ae (このIDを非表示/違反報告)
Nozomi(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます！！そう言って頂けて本当に嬉しいです。更新頑張ります♪ (2017年1月13日 8時) (レス) id: cbc88a5c7a (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 更新待ってます!!!!!!!!とてもたのしみです！！！！！！！！ (2017年1月13日 1時) (レス) id: 94ec8d74ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nozomi | 作成日時：2016年7月9日 23時
