Fake.15 ページ16
海に別れを告げてから、履き慣れない下駄でとにかく走った。
時々こけそうになったけど、今の私にはそんなことどうでも良かった。
…とにかく、あの場を離れられるなら。
走り疲れて立ち止まった時には、ほぼ家の近くで。
無我夢中で走ってたせいか、全然気付かなかった。
『今までほんと楽しかったな…。』
溢れそうになる涙をこらえながら、空を見上げる。
さっきまで海と綺麗な花火を見て、キスしてたなんて今では信じられない…。
「…A?」
そんな時、声を掛けてきたのは…
『拓弥…、』
びっくりした表情の拓弥だった。
拓弥「お前、海と夏祭り行ったんじゃなかったの?」
『うん、行ったよ。花火も見た。』
拓弥「え、もう帰ってきたの?早くね?」
『実は、海に…』
拓弥「海に?」
…何でだろう?海って名前を口にするだけで、こんなに涙が溢れてくるのは。
拓弥「どうした?もしかして、海に何か言われたの?」
『海に…もう終わりにしようって言われた。』
拓弥「は?」
『拓弥だったらきっと幸せにしてくれるって。』
拓弥「は?あいつ何言ってんだよ…」
私が正直にそう話すと、明らかに顔をしかめる拓弥。
拓弥「お前はこれでいいのかよ?」
『しょうがないよ。私に拒否する権利なんてないもん。』
“だからもういいの。まあ正直、ちょっと寂しいけどね。”
なんて笑ってそう話すと、不意に腕を引かれ…
拓弥「じゃあ、いいよね?」
『え?』
拓弥「海の言う通り、俺だったら幸せに出来るよ。
Aのこと。」
『…拓弥、?』
ハッと気付いた時にはなぜか拓弥に抱き締められていた。
え?どうして…?
拓弥「ねぇ、A。俺と幸せになろ?」
優しく微笑みながら問いかけてくる拓弥。
私はただただびっくりして、拓弥の顔を見つめることしか出来なかった。
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れな(プロフ) - 楽しみです!!! (2017年1月13日 18時) (レス) id: 94ec8d74ae (このIDを非表示/違反報告)
Nozomi(プロフ) - れなさん» コメントありがとうございます!!そう言って頂けて本当に嬉しいです。更新頑張ります♪ (2017年1月13日 8時) (レス) id: cbc88a5c7a (このIDを非表示/違反報告)
れな(プロフ) - 更新待ってます!!!!!!!!とてもたのしみです!!!!!!!! (2017年1月13日 1時) (レス) id: 94ec8d74ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nozomi | 作成日時:2016年7月9日 23時