Boyfriend of Fake.

Fake.10 ページ11

『良いの見つかるかなー。』



なんて、独り言を言いながら、浴衣を買いに行こうとしばらく歩いていると…



拓弥「あ、Aじゃん。」



偶然にも前から拓弥が歩いてきた。



『あ、拓弥！』



拓弥「どこ行くの？」



『いや、ちょっとね。』



拓弥「は？何だよ？」



『浴衣…』



拓弥「え？何て？」



『浴衣！買いに行くの！』



拓弥「あぁ、浴衣ね。１人で行くの？」



『うん、そうだよ。』



拓弥「夏祭り、海と行くんだ？」



『そうだけど…』



拓弥「ふ〜ん、そうなんだ。」



“しょうがねぇ、ついて行ってやるよ。”



そう言うと、くるっと向き直して、私の前をスタスタ歩く拓弥。



『ちょっ、ついて行くってどこに？』



拓弥「は？浴衣買いに行くんだろ？」



『そ、そうだけど…』



拓弥「ばーか。海の好みは俺が一番よく知ってんだよ。」



あっ、そういうことか！



『えっ、いいの！？』



拓弥「ああ、別に今日何もねぇし。」



『やったー！拓弥ありがとー！』



心強い助っ人が出来て、良い浴衣が見つかりそうな気がしてきたぞ！

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