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ちら、とハクアがグラスィドールの手を見る。瞬間 顔を青ざめて怯えた。
｢ほ、ほね…！？｣
｢人見て怯えるとか失礼なガキだね。大好きなお兄ちゃん探さなくていいわけ？｣
｢いや……！｣
今度は手どころか体に抱き着いてくる。グラスィドールは鬱陶しそうに引き剥がすとハクアの手首を掴んだ。
雲1つない晴天だ、天気の心配なくあちこち探せそうである。
どこから来たという質問はもうしない。本を探してここに迷い着いたのだろう 聞くだけ無駄だ。
｢お兄ちゃん……｣
｢まぁた泣く｣
半ば引っ張るように歩き出した。広い流星街だ、当てずっぽうというわけにもいかない。
｢アンタのお兄ちゃんの名前は？｣
｢クロロ……｣
知らない。
｢見た目は？｣
｢くろい髪の毛と、くろいおめめ｣
いくらでもいる。
｢……いつも一緒にいる場所は？｣
｢おっきい教会。あのね、いろんな色のガラスが綺麗で高いところにカネがあるの｣
｢オーケー 分かった｣
グラスィドールには心当たりがあった。街の外れにある鐘と、割れたステンドグラスのある廃教会。
そこに行けば、もし兄弟がいなくてもハクアを待たせれば帰ってくるだろう。
｢転けないでね メーワク｣
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作者名：クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年1月21日 17時
