【十二大戦】仲間外れの御猫様、可愛がられる御蛇様 (ページ7)

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獣石は物理的な要因では一切傷つかず、取り出すには腹を切り開くのが手っ取り早いとのこと。しかも二度と吐き出せないときた。

舞台は人口50万人規模の街を滅ぼして作られたゴーストタウン。
明確な線引きはないが制限時間を思うと誰もそう遠くにはいかないだろう、残り時間と個人差次第ではいつ動けなくなるか分からない。

不安げにする寵蛇に辰と巳がその頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

｢そう心配すんなお兄ちゃんたちが何とかしてやるよ｣

｢お兄ちゃんたちに任せろ寵蛇｣

｢兄様、兄さん……！｣

本来ならここで命の危険にあうはずのなかった妹。記念すべき12回目だからと招待という名の強制招集をされた彼女が哀れでならない。

｢随分と仲がよろしいようだな｣

｢当然だ｣

｢兄弟のコンビネーションを見せてや｢柢狐様！｣

巳の言葉を遮って寵蛇が駆け寄ってきた。見上げてくる様子は可愛らしいが兄たちの視線がなかなかに恐ろしい。

｢兄さんを助けてくれてありがとうございます、恩人です…！｣

｢大戦が始まれば嫌でも血を見る、それだけの事だ｣