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「グラスィドール、君もこいつに渡したまえ。飲まないだろう?」


「飲まないけどあげない」


「どうしてだい?」


「コイツに返すから」


「いやいや遠慮すんなって」


飲めよとトンパと名乗った男は笑う。少し間を置いてグラスィドールがジュースを開けたのを見てどこか満足そうに頷いた。


「美味いんだぜ?そいつ」


「返すって言ったじゃん」


グラスィドールはトンパの真上で缶をひっくり返した。飲み口は開いている、当然中身は全て彼の頭にぶちまけられた。


最後の1滴まで丁寧に振って 空き缶はその辺にポイ。甲高い音を立てて転がっていった。


「な……何しやがる!?」


「毒入りジュースもお近づきの印も要らないの」


細長い体躯を折り曲げ、トンパに顔を近付ける。ニィと笑った顔は悪意に満ちていた。


「要らないものは捨てなくちゃ」

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作者名:クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年1月26日 23時

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