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確かグラスィドールは出掛けて行ったはずだ。ノクスも一緒かと思ったのだが、まさか置いていくなんて。
｢おいで、抱っこしてあげよう｣
｢ぴゃあ｣
｢それは嫌なんだね……｣
手を伸ばせば後ろに下がったノクス。小刻みに震えては落ち着きなく周りを見回していた。
ロボが近付けば毛を逆立てる。知らない環境で唯一頼れる主人がおらず、ノクスは怯えきっていた。
｢ただいま
ノクス、おいで｣
｢ぴゃー！｣
グラスィドールは何やら袋を片手に帰って来た。アジトに踏み入るより早くノクスを呼んで、必死に駆けてきた子猫を抱き上げてやる。
ぴゃあぴゃあ鳴いて甘えてくるノクスを甘やかしつつ瓦礫に腰掛けた。
｢ごめんってば、置いてって｣
｢どこに行ってたんだい？｣
｢このお嬢さんにおめかしさせてあげようと思って｣
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作者名：クヴァール&くろのちか x他1人 | 作者ホームページ：なし
作成日時：2019年1月26日 23時
