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ハリーがクィレルとスネイプの話を聞いてから数週間。ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人は、クィレルがいつ口を割るのではとヒヤヒヤしていた。しかし、注意深く様子を窺っても特に何も変わったことは無かった。

変わったことはハリーとロンのクィレルに対する態度だけだ。2人はクィレルがスネイプに話してしまうことを恐れ、以前にも増して優しくしようと努めていた。ハリーはクィレルと会うたびに笑顔を向けるようにし、ロンは吃音をからかう生徒をたしなめ始めた。

3月半ばに差し掛かったとある日、談話室にハリーとロンの2人を見つけたハーマイオニーが傍に駆け寄る。

「2人共、試験勉強はいつから始める気?」

唐突にそう口にしたハーマイオニーを、ハリーとロンは信じられないものを見るような目を向けた。

「試験勉強!?ハーマイオニー、試験はまだずっと先だよ!」

「10週間よ。ずっと先じゃないわ。」

2人の言い合いに、ハーマイオニーの後ろからやって来たロゼが苦笑を零す。ハリーは試験のことを思い苦い表情を浮かべていた。

「でも何のために復習するんだよ。君はもう、全部知ってるじゃないか。」

「何のためですって?気は確か?2年生に進級するには試験をパスしなければいけないのよ?大切な試験なのに、私としたことが……もうひと月前から勉強を始めるべきだったわ!」

ロンがどうにかしてくれと言わんばかりにロゼの方を見る。

「ハーマイオニー、‘もうひと月前’には流石に同意しかねるよ……でも2人共、そろそろ準備したほうが良いんじゃないかな?直前になって焦るよりはまだましだ。」

「そんな、Aまで……」

ロゼの言葉を聞いたロンがそう言って項垂れた。

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作者名: | 作成日時:2021年9月26日 21時

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