30.Boy_モヤモヤ ページ30
｢はーい、じゃあ、ここからいくよ｣
ダンス室に響き渡るトレーナーの声。滴る汗を拭って、はい、と声を出す。
1,2,3,4...ここでターン。
1,2,3,4...ここでセンターに。
一瞬、トレーナーの方と目が合った気がした。
バレた、と思えばすぐに名前を呼ばれる。
｢デフィ、遅いよ。
4で動くんじゃなくて4の時にはデフィがセンターにいるの。わかる？
はい、もう1回｣
1,2,3,4...ターン、
1,2,3,センター。
トレーナーの方がわざとらしく肩を下げて大きくため息を着くのが見えた。だから、と口を開く。
｢うーん、いつものデフィなら伝わると思うんだけど。
ここ、こう。わかる？右足を引いて右手を上げてその勢いでセンターに出るの｣
｢はい｣
俯いていた頭をあげると、鏡越しにウジニヒョンと目が合った。そのままヒョンは何も言うことも無く、無表情のまま目を逸らし振りの練習を始めた。
トレーナーの方が手をパンパン、と叩いて音を鳴らす。トレーナーの方の掛け声と共に体を動かす。
1,2,3,4...ターン、
1,2,3,右足の勢いでセンターに。
頭を抱えるその姿を見て、僕も頭を抱えたくなった。なんだか今日は調子がおかしい。いつもはできることが出来なくて、モヤモヤする。
頭を抱えうずくまったまま、トレーナーの方は｢ちょっと休憩しよう｣とくらい声で言った。はい、と返事をしてヒョン達は部屋の端に置いてあったタオルやペットボトルを取りに行く。
僕はそんな事をする気も起きなくて、そのまま座り込んだ。
｢デフィ、どうかしたの？今日調子悪いけど｣
｢自分でも分からないんです…体がいつも通りに動かなくて……｣
｢とりあえず今日はサビまで完成させたいからそこまで頑張れる？｣とトレーナーの方に聞かれ、迷うこと無く頷く。彼女は嬉しそうに頷いて、｢じゃあ頑張ろう｣と立ち上がった。
あの日から自分の頭の中は「シン・A」その言葉で埋め尽くされていて、何をしようにもその名前が邪魔をする。頭を横に振って忘れようとするのに、なかなか離れない。
「...もう」
モヤモヤした頭を抱えながら、練習するために立ち上がった。
続く (更新停止中)
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gumi - ルリアさん» お返事遅くなって申し訳ありません;; 今日は休みだったのでたくさん更新できました^^ はい！頑張ります！ (2019年7月7日 17時) (
レス) id: 0228b74d8d (このIDを非表示/違反報告)
ルリア(プロフ) - うわぁ！たくさん投稿してくれてありがとうございます！どんどん話が進んでって楽しくなっているのでこれからも頑張ってください！ (2019年6月16日 11時) (レス) id: c7ec6efbc7 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - ルリアさん» わぁー！ありがとうございます！嬉しいです！はい！更新頑張るので楽しみに待っていてください^^ (2019年6月16日 3時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
ルリア(プロフ) - すごく面白いので、もっと投稿して欲しいです！頑張ってください！ (2019年6月15日 22時) (レス) id: c7ec6efbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gumi | 作成日時：2019年6月15日 16時
