25.Boy_手当て ページ25
｢おばあちゃんも心配してると思うし、私帰る。
…なに｣
｢…帰っちゃうの？｣
｢帰るよ｣
｢ここに死ににきたんじゃないの？｣
｢……まだ生きたいから。また今度にするよ｣
「...待って！！」
「...はあ、今度はなに？」
「次はいつ会える？」
君は一瞬、考えるようなそぶりを見せた。ぼやける月を見つめるその瞳は、相変わらず静かで冷たかった。
「...そのうち、会えるんじゃない？」
「次会う時またお互い死にそうになってたら笑えるね」そう軽く冗談を吐いて、僕に背を向けた。
そのうち、ね。
.
.
.
「...っ」
相変わらずだ。またこの夢をみた。
でも、いつもと違うことを訊けた。
それだけでいまの僕は十分だった。
「...あの、」
「はいっ」
背後から声をかけられ、思わず変な声が出る。はずかしがりながら後ろを振り向くと、そこには見覚えのある子がいた。
「あの、大丈夫ですか...？」
「あ、頭、」と少しオドオドしながらぺたんと床に座っている彼女は僕の頭を指差す。あ、と思い出して後頭部を触ると、鋭い痛みが襲った。思わず顔を歪めるも、「大丈夫」と返すと、本当ですか？と返される。
「うっ.......」
「痛いんでしょう。救急セット見つけたので手当しますよ」
頭の痛みには負けられず、渋々彼女の方に寄って手当をしてもらう。救急セットから包帯と消毒液、テープやガーゼを取り出した彼女は、「染みますよ」と声をかけてから消毒液を僕の頭につけた。案の定染みる訳で、分かってはいたものの声が出る。
「...ごめんなさい」
「あ、いや、そんな」
そのままお互いなにも話さず、彼女が口を開いたのは手当が終わってからであった。「少し見栄えは悪いですが、傷が広がらないようになっているで安全かと」
「ありがとうございます...」
彼女と目を合わせる。とても綺麗な瞳をしていた。
「それにしても、ここはどこですか」
「多分、あの変な奴らのアジト的な場所かと」
「アッ、アジト！？」
「しーっ、声が大きいですよ」
口元に人差し指を当ててジェスチャーしてくる彼女に、すみません、と返す。うんうん、と頷いた彼女は、とりあえず逃げましょう、と告げた。
「逃げましょうって、ここをどう…出口はあるんですか？」
床も壁も天井も灰色で、硬く冷たい。小さな窓が右側に、普通の扉が正面にあるだけであとは出口というものは見あたらなかった。
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gumi - ルリアさん» お返事遅くなって申し訳ありません;; 今日は休みだったのでたくさん更新できました^^ はい！頑張ります！ (2019年7月7日 17時) (
レス) id: 0228b74d8d (このIDを非表示/違反報告)
ルリア(プロフ) - うわぁ！たくさん投稿してくれてありがとうございます！どんどん話が進んでって楽しくなっているのでこれからも頑張ってください！ (2019年6月16日 11時) (レス) id: c7ec6efbc7 (このIDを非表示/違反報告)
gumi - ルリアさん» わぁー！ありがとうございます！嬉しいです！はい！更新頑張るので楽しみに待っていてください^^ (2019年6月16日 3時) (レス) id: 574c7b7109 (このIDを非表示/違反報告)
ルリア(プロフ) - すごく面白いので、もっと投稿して欲しいです！頑張ってください！ (2019年6月15日 22時) (レス) id: c7ec6efbc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：gumi | 作成日時：2019年6月15日 16時
